弐-12 ページ18
朝食後は地獄の素振りが始まる
限られた時間内で五千回を終わらせるために、出来るだけ速く木刀を振り下ろす
「…四千三百五、四千三百六…ううぅ!!」
でも、途中から腕の感覚がなくなって握力が弱まってくる
もはや刀から手を離さないようにするのだけで精一杯だ
これが終わると、師範と高速移動の訓練をする
内容としてはただの鬼ごっこなのだが、この時の師範は凄い
捕まえようとすると急に消えて気づいたら後ろにいたり、屋根の上にいたりする
あんなに大きな体格なのに目で追えないほど速く移動したり、音を立てずに着地したり…元忍といえど人間なのか疑ってしまう
一段落終えたら忍の訓練だ
これは師範がつけてくれる稽古だからこそ出来る...言わば音柱の継子の特権だ
忍の戦法は、相手が鬼だろうと問題なく通用するらしい
主に戦いが上手い雛鶴さんが参加してくれて、クナイや爆薬などの道具、体術を使った忍の戦い方を学ぶ
たまに、まきをさんと須磨さんも教えてくれる
「この玉が爆薬と同じ大きさなんですか?これを空中で斬るんですね。えっと…うわ、難しいですね…半分に斬れない」
「あらAちゃん、流石ね。初めてなのに斬れるなんて凄い方だと思うわ」
「もっと数増やすか!よし行けA、ド派手に爆発させろ!ほら投げるぞ!」
「うわっ!それ本物の爆薬…っ?!」
昼食の後は師範と打ち込み稽古だ
とはいっても私が師範に打ち込みにいくだけ
「…雷の呼吸…」
「隙あり」
「うわっ」
私が師範を本気で打つつもりで行っても、師範はそれを簡単によけてしまう
単純に私の技の速度と師範の速度に差がありすぎるだけなんだけど、これ以上どうやって速く技を出せばいいの…
「Aは考える時間が長いんだよ」
「考える時間…?」
「攻撃を考えてる時間が、相手に隙を与えてるんだよ」
確かにそうだ…戦いの中では相手に一瞬たりとも隙を与える訳にはいかないので、何かを考えている暇などない
「これは経験も関わってくるから急にできる訳じゃねぇけど…考えるより先に体が動くようになればいいってことだ」
きっと沢山の経験を積めば、感覚的にどう動けばいいかが分かってくるという事なのだろうけど…
「それができるようになるには、やっぱり数をこなすしかないんでしょうか…?」
「そうだな…よしA、ちょっと受けてみろ」
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みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時