夜明けを導く光【鬼滅の刃】 (ページ12)

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体のところどころに切り傷があったので、隠の方に背負われて"蝶屋敷"に連れてきてもらった

蝶屋敷とは、言わば鬼殺隊の診察所・療養所のようなものらしく

今まで怪我したら藤の家紋の家で手当してもらってたから、こんな屋敷があるなんて知らなかった

「さっきの解毒剤は一時的に症状を緩和するものだから、ここでしっかり治療してもらえ｣

音柱様は近場の任務に呼び出されたから、後で超屋敷まで来ると仰っていた

あと、

『俺の事は師範と呼べ。ん？だってその方が格好つくだろ？それに音柱様って呼ばれると背中が痒くなるんだよ』

との事なので、半ば強制的に音柱様のことは今日から"師範"と呼ぶことになった

診察室に入ると、小柄な女隊士の方が椅子に腰掛けていた

「初めましてAさん。私は胡蝶しのぶといって、蝶屋敷の主人を務めています。どうぞ、そこに掛けてください｣

「はい！｣

すごく綺麗な人…

私とそこまで年が離れている訳ではなさそうだけど

羽織も綺麗だし紫がかった瞳と髪がとても綺麗で、本当に蝶みたい

とても美人だし…こんな方が鬼殺隊にいるんだなぁ

「宇髄さんから伺いましたが、Aさんは継子なのですね？｣

「はい、さっき急に決まったばかりですけど…｣

「それは良かったですね。ではAさん、包帯を巻きますから傷口を見せてください｣

胡蝶さんはすぐに私に包帯を巻いてくれたのだけど、それがすごく上手い

鬼殺隊士をしながら医者でもあるなんて器用な方だ

「毒にやられたようですから解毒剤を出しておきます。毎日食前に飲んでくださいね。それほど重症ではないので入院の必要はありません｣

「ありがとうございます！失礼します｣

「いえいえ。お大事に｣

診断室を出て少し歩くと師範がすぐ近くの曲がり角に立っていたのだけれど、全く気配がしなかったので肝を冷やした

「待っててくださったんですか？」

「あぁ、これから俺の屋敷に行く。荷物は隠に運ばせておいたから安心しろ｣

「…え？継子って住み込みなんですか？｣