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壱-2 ページ2

一刻ほど走り続けていたら、ある町に辿り着いた

「随分遠くまで来ちゃった…」

「ぐすっ…」

引き返そうとすると、どこからか泣き声が聞こえた

「…あれ?」

耳をすませて辺りを見回すと、人混みの中に目を擦るような仕草をしている子どもの後ろ姿が見えた

その間を縫っていきながら近寄り、私は声をかけた

「ねぇ、大丈夫?」

「…えっ?」

振り向いたのは、長い髪と浅葱色の目が綺麗な男の子だった

私よりも少し年下くらいかな

「迷子?どうしたの?」

「…兄さんとはぐれちゃった」

しゅんと目を伏せて、その子は呟いた

「それは大変!一緒に探そう」


そうして二人で歩き始めたものの、そのお兄さんがいるはずの店がなかなか見つからない

「へぇ、双子なんだね!」

「うん!僕たち本当によく似てるんだよ」

「ふふ、それは早く見てみたいなぁ。そういえば、お父さんやお母さんは?貴方たちはお使いで来たの?」

「父さんと母さんはいないんだ…死んじゃったから」

その子は眉を下げて、それから再び涙を浮かべた

「えっ…あの、そっか、ごめんね」

私が謝ると、遠くを見つめて小さくため息をついた

「父さんたちが死んでから、兄さんは急に厳しくなったんだ…この後もし会えても僕はきっと怒られちゃう」

その様子から今この子が涙を浮かべたのは、何となくこちらが原因のような気がした

「仕方ないよ、こんなに人が多いんだし。それに私も付いてるから安心して!」

「あれ、でも君は家族の人が待ってるんじゃないの?もう日が暮れちゃうよ」

「ここからはすぐに帰れるから大丈夫だよ。それに…実は私も両親が死んじゃって…今は…知り合いのお爺さんと一緒に住んでるんだ」

ありのままを言わずに適当に誤魔化そうか迷ったけれど…お爺さんの元である修行をしてて、ここに来たのも鍛練の一環で走りに来た、と正直に伝えた

「君も両親が…そうなんだ、僕たちと同じだ」

「うん、…あ、あれお兄さんじゃない?」

その子とよく似た、色違いの着物を着た子が遠くから走って来ているのに気がついた

「あ!兄さん!」

「良かった…って、ちょっと!」

物が地面に叩きつけられる鈍い音と怒鳴り声が響き、辺りには一瞬の静寂が訪れた

「お前は一体何をしてるんだ!!」

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みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時

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