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壱-1 ページ1

あの夜、私たち家族の幸せな生活は一瞬で壊された


『この子だけはやめて!殺すなら私を…!』

『駄目だ!!お前は逃げろ!!ここは俺が…!!』

やめて、やめて…!!

『ッ…!!』

私の声は届かない


私がどれだけ大切に思っている人でも他人は容易く踏みつけにできる

人を食い物とする彼らにとっては尚更、そんなことはどうでもいいのだから


『ごめ…ん…A…』

『まって、ねぇ!!お父さん!!お母さん!!』

私が叫んでいても、何も答えてくれない

『二人とも!!目をあけてよ…!!』

必死に揺さぶっても、少しも動かない…もう駄目なんだ

もう喋ることもない、笑うこともない

…もう戻っては来ない

大好きな…優しかったお父さんとお母さんは、何も悪いことをしてないのに見知らぬ奴に理不尽に殺された

『なんで…?』

私はその時に知った

この世界は理不尽で、因果応報なんてものは存在しない

こちらがやらなければやられるのみ

でも、それは人に鬼にも言えること

だから私は_




「…い…おいA!そんなところで何寝ておる。修行は終わったのか」

瞼を上げるとすぐに太陽の光が差し込み、仰向けになっていた私はおもわず目を細めた

逆光で、見慣れた白髪頭の影が視界の大半を占めている

「…あ、桑島さん…!私、一休みに日向ぼっこして…」

寝てしまってたのか…昔の夢を見ていたような気がする

「まったく…選別までもうすぐなんじゃから、もっと緊張感を持ちなさい!!」

「すみません!眠気覚ましに走り込みに行って参ります!!」

「あぁ、気をつけて行ってこい」



段々と暖かさが戻ってきたこの頃、外に出る人も増えてきて賑わいが増したように感じる

「今日はどこまで走ろうかな…」

鬼殺隊に入る為に育手である桑島さんに修行をつけてもらい始めてから、もう二年が経とうとしている

基本的な事は一年前で既に終わらせていたものの、まだ体格も幼くて上背もなかったから選別には行かせて貰えなかった

でも、それからの一年では背も伸びて体力も上がり、技の精度も力もかなり成長したと思う

そう考えると、桑島さんの判断は正しかったなって…

「折角だし、いつもよりちょっと頑張ってみよう」



あれから二年

そしてあと一ヶ月経てば…やっと私は鬼殺隊に入ることができる

壱-2→



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みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時

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