陶器人形とクイズと彼ら

この子、探しています。izw　side ページ9

ある日の夕方。

俺とふくらさんは相変わらず編集や記事の添削などに追われ、QKのオフィスに閉じこもっていた。
朝から締め切った部屋では静かな時間が流れ続け、時折ふくらさんの「休憩にしようか」の声で雑談がほんの少しあるだけ。

いつも通りといえばいつも通りなのだ。
　
　例の彼女？は山本や須貝さんが言っていたが、Twitterの更新がパタリと止まり、今もどこにいるのかわからないようだった。

正直なところ彼女？のことを新しいQKライターとして狙っていた俺にとってはだいぶ不都合だった。

今はどこにいるかもわからない人を見つけ出すのは大変だ。

だが、俺はどうしても諦めきれなかった。

それにどうしても確かめたいことがあった。

なぜ、あの時あんなことをしたのか。

なぜ、あんな目でこちらを見つめていたんだ。

ふ「伊沢、line。誰かからline来てるよ。」

「え？あぁ、ごめん。」

考え事をしていた俺はふくらさんの声で現実に戻った。

静かにバイブレーションを続ける携帯の画面には山本からのメッセージが表示されていた。

「AAさん、東大生だそうです！新１年生です！」


ようやく、見つけた。あまりにも突然だったこともあり、携帯を落としかけた。

ふ「ちょｗｗどうしたの？ｗ」

「ふくらさん…やっと見つけたよ…」

ふ「やっとって？ｗ…まさか…？」

「新ライター、必ず捕まえよう。」

後日、その時の俺の目は獲物を捕らえたような猛獣の目をしていたとふくらさんは証言していた。

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