できることを。 ページ43
『すみません。コーヒーブラックで大丈夫でしたか?』
「うん、ありがとう。河村、Aちゃん来たよ。」
河「あぁ、うん。コーヒーありがとう。」
コーヒーの香ばしい匂いと、オレンジの甘酸っぱい香りが嗅覚をくすぐる。
LED照明がまぶしいこの部屋が、オシャレなカフェになったかのような錯覚すら起こす。
「じゃあ、早速企画についてなんだけど。前に取ったAちゃんの正式な紹介動画をメインのほうに今日アップします。もう何人からかTwitterのほうで反応があるかもだけど、僕らも今日RTとかで伝えるから、安心してね。」
『わかりました。よろしくお願いします。』
「うん!それじゃ次。先週撮った動画なんだけど、良かったらAちゃん編集してみない?サブチャンのほうなんだけど、お試しってことで。もちろんやり方は教えますので」
『ぜひ、やらせてくだい!お力になれるよう、頑張ります。』
「ありがとー、そう言ってくれてよかったよ。そんで、本題ね。河村、いけそう?」
さっきから口を挟まず聞いている河村に意識を向けると、寝息を立てていた。
『河村さん、寝ちゃってますね。』
河村はあまり人に寝顔を見せない。
「信用してない人間の前でうかうかと寝顔なんか見せられるか!」と以前言っていた。
僕や伊沢の前だとよく寝たりしてるけど、他のメンバーはあまり見たことがないと言う。
だから、意外だった。
こんなにもあっさりと彼女の前で寝てしまう河村に。
「うぅーん、河村も疲れてたしな…とりあえず一回休憩ってことで寝かせてあげよっか」
『お疲れだったんですね。自分、なにかかけるもの持ってきます。』
彼女は立ち上がろうとしたが、バランスを崩したかのようにまたその場に座り込んだ。
「ん?どうしたの??」
『あの、ふくらさん…河村さんが…。』
彼女の服のすそを河村がガシッと握っていた。
スゥスゥと綺麗な寝息を立ててるのに、一向に手を離そうとしない。
「あぁーこれは立てないねw 僕が持ってくるから、河村についててあげてくれる?」
『すみません…お願いします。』
彼女も何が起こってるのかあまり理解できていないのか、少し目が泳いでいた。
河村さん、寝ぼけながら女の子を困らせるのはよくありませんよ。
僕はタオルケット探しに部屋を出る。
扉を閉めるとき、河村さんの頭を優しく撫でる彼女の横顔が見えた。
その時の微笑みに見とれてしまうのはきっと僕だけじゃないはずだ。
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おいら。(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます!実は自分も結末は探り探りでして...!ぜひこれからも楽しんで頂けるとありがたいです!ご愛顧のほどよろしくお願いします!! (2019年8月28日 17時) (レス) id: bd7a0fa47b (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - どうなっていくか気になります。、河村推しとしては最高でした!儚い感じも含めて河村さんなんですよね (2019年8月28日 10時) (レス) id: bdb71ec1a3 (このIDを非表示/違反報告)
おいら。(プロフ) - 晴夜さん» ありがとうございます!Pコンビの友情にはいつも感動しております…!自分の作品でそれが伝えられるよう精進敷いてまいります!更新ペースも落とさないよう頑張りますので、これからもご愛顧のほど、よろしくお願いします! (2019年8月26日 22時) (レス) id: c936dc85f7 (このIDを非表示/違反報告)
晴夜 - 初コメ失礼します!此方河村さん推しなもので…!pコンビの愛を感じますね…はい!これからも楽しみにしてるので自分のペースでがんばって下さいね!応援してます (2019年8月26日 21時) (レス) id: 58376c201f (このIDを非表示/違反報告)
おいら。(プロフ) - grayさん» ありがとうございます!!!これからもご愛顧のほどよろしくお願いします! (2019年8月26日 17時) (レス) id: bd7a0fa47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいら。 | 作成日時:2019年8月19日 10時