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「そうだ…。A、今日の夕飯の買い物に行ってきてくれないかな…」
ちょっと殺伐とした雰囲気を、ユナンのいつものふんわりとした声が搔き消す。
「ん?いいよ、アラジン一緒に行かない?楽しいよ〜」
「うん!お姉さんのことだからそう言って荷物持ちにされるのは分かっているのさ」
「ちょ、どんな感じに思われてるの僕」
アラジンの手を引いて。
「気をつけてね」
「「はーい」」
ユナンに見送りされ2人で買い物に出かけた。
暗い峡谷のなかで、僕はアラジンに気になっていたことを聞いてみる。
「ねぇアラジン」
「なんだい?」
「さっき僕の胸が柔らかいとか言ってたけど、僕はサラシを巻いてるからそんなの分かんないはずなんだけど…」
「そのことかい?それなら触る前に取らせて貰ったよほら!」
「ひぃ!!手慣れてらっしゃる…!!」
ーーーー
2人が去った峡谷にて…。
「こんなこと聞くの失礼なんだけど…。君は本当に彼女に会いにきただけなのかな?」
「何が言いたい」
「僕はただ、Aを巻き込んでほしくないだけさ…。彼女を連れて帰ろう、なんて思ってないみたいでよかった…」
「ふっ…。あいつ1人、組織から守れなかったお前にそんな事言われる筋合いはないんだが」
ーーーー
アラジンと買い物をして。
帰り道にちょっとだけ寄り道をして。
「ありゃ〜、だいぶ日が暮れちゃったね」
「お姉さんといると楽しくて時間を忘れてしまうのさ」
2人で食べ物の入った袋を抱えながら夕暮れの道を歩いて行く。
「今日はアラジンもソロモンもいるから張り切っちゃうね〜!!」
「ユナンお兄さんから、お姉さんの料理は美味しいって聞いてるから楽しみだな〜」
「ユナンも美味しいって思ってくれてるのかー。えへへっ!!照れちゃうね」
いつも、美味しい?って聞くと。
普通かな…って答えるユナンを思い出す。
そっか〜、ユナンがねぇ。
本当は美味しいって思ってくれてたんだね、嬉しいなぁ。
底の見えない峡谷を降りていく。
峡谷の底に足をつけたとほぼ同時に扉が開く。
「おかえり…、今日は随分遅かったね」
「ただいま〜。えへへ、ちょっと寄り道してたら遅くなっちゃった」
家に入ると、ユナンがアラジンと僕の持っていてた袋を受け取ってくれる。
「さてさて、作りますかね〜」
「僕も今日は手伝おうかな…」
珍しいこともあるものだと思った。
何時もは紅茶を飲んで待っているのに…。
ほんと、不思議…。
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凛 - 更新ありがとうございます (2022年8月20日 11時) (レス) @page26 id: 9cf2b69289 (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - 更新されてる…ありがとうございますありがとうございます……ヒェ… (2022年5月8日 3時) (レス) @page24 id: db51d70f74 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - しののさん» コメント感謝です。長い間停止していたので見てくださる方も少ないと思っていたのですごく嬉しいです、ありがとうございます! (2021年3月3日 21時) (レス) id: efbd3140cf (このIDを非表示/違反報告)
しのの(プロフ) - 更新ありがとうございます...!!ソロモン大好きなので嬉しいです!生きる活力になります...。 (2021年3月3日 21時) (レス) id: b0110b8174 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - 凛さん» コメント感謝です、今後ともよろしくして頂けると嬉しいです! (2021年2月19日 21時) (レス) id: dd11559b15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2017年8月3日 13時