第155夜 月の王様 ページ8
光の番人が太陽の王へとなった今。
闇の番人を月の王としよう。
儚く脆い、そんな王様を支えるのは臣下である星々である。
翌朝、異種族に引きずられるようにして僕たちはこの場にいる。
「A様、こちらが2代目最高守護神です」
「2代目、この方が初代最高守護神のA様ですよ」
7年間の間にどうやら守護神に2代目ができたらしく。どうやら今、目の前に佇む彼がそうらしい。
主にシトラーとザガン説明をしてくれて、僕の後ろにフォカロルやゼパルやらアモンなどがいる状況。
ちなみに僕の両サイドは隊員達である。
「噂は聞いていましたよ初代。随分と強かったようで、百戦錬磨と異名があるそうで」
「百戦錬磨なんて嘘ですよ、実際ダビデに負けてますし…」
シバたちは、2代目の事をあまり良く言ってなかったけど。話してみるとそうでもなかったりして…。
でも何でかな。2代目が身振りをする度に真後ろにいるフォカロルが僕の事を抱き込み、2代目から守るようにするんだよね。謎だ…。
「随分、慕われてるみたいですね初代」
「あはは…、少し度が過ぎるのが悩みですよ」
「人間として底辺の奴が慕われるのを見てるとすごく腹が立ちますよ」
「…」
「本当、殺 したいくらいに」
その言葉に隊員が構えるのと同時に、フォカロルに凄い勢いで抱き込まれ窒息寸前。
苦しいって!! 離してくれフォカロル。僕だって2年間だけ赤獅子とレイメスに特訓してもらって強くなったから大丈夫だって!!
「ははっ! 冗談ですよ初代」
ニコッと笑う彼。
2代目、今とっさに笑顔作りましたね。冗談なんて嘘、僕には通じませんよ?
「そうですね〜。1度殺 し損ねた相手が慕われるのを見るのは心が抉られるようでしょう?」
「…」
「フッ…。どうです? 僕の後を引き継いだ感想は。異種族のほとんどに権力が通用しなかったでしょう」
「初代? どういうことですか?」
フォカロルに抱きかかえられ、両腕を彼の首に回し位置を安定させる。
首を傾げて聞いてくるシトラー。
安定の可愛さ!! 癒やされる〜。
僕を守護神へと無理矢理押し上げて。守護神という権力を作り出し、隙を狙いそれを奪う。
「魔道士狩りで犯罪を起こし僕に捕まるのを計算し、罰を与えられない事までも計算した君。更生する機会を貰ったからとその座を貰った」
「…」
「ね、2代目? 」
僕は彼のこの計画にまんまとハマった訳だ。
「それとも魔道士狩りの犯人と呼んだほうがいいですか?」
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千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´;ω;`)ウッ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです! 落ち着いてきましたか? 何回も繰り返し見てます! 更新楽しみにしてます! (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2016年6月25日 22時