【マギ】神出鬼没なマギ4.〜アルマトラン編.後編〜

第188夜 1人ぼっちの王様 ページ41

次の日の明け方、発熱と吐血で彼女は死んでしまった。



『A様…。あの広い海なら…、どんな思いだって、何処へでも…、届きそう、ですよね』



最後にそんな事を言って。
僕の手を握りしめながらこの世を去った。



ーー


次に、お腹に小さな命を宿した彼女が倒れた。

命の最期を悟った彼女は、お腹の子だけでも取り出してほしいと僕にせがんできた。



『頼みます!! 俺たちの子を!!』

『胎児がまだ未熟すぎてとりだせないよ!!』



胎児はまだ宿ったばかり。
そんな未熟のままでは取り出したときに死んでしまう。


すると、そっとお腹に手を当てて涙を流す。



『抱きしめて…、あげたかったなぁ…』

『しっかりして!!』

『A様…、貴女に、出逢えて、幸せだった…』



最後にそんな言葉を残して。
彼女は愛する人の腕の中で亡くなった。



ーー



そのあとを追うようにして彼も倒れた。



『ははっ、まさか…、俺もなるとは』

『熱が…!!』

『これで…、彼奴に逢える…』

『何言ってるの!! 生きるの!!』

『A様…、いつか貴女にも、愛する人が見つかりますように…』



胸の前で腕を組み、祈るようにする彼。
そんな言葉を残して、彼は愛する人の元へ逝ってしまった。



ーー



僕に膝枕をせがんで来た彼も倒れた。



『へへっ、何て顔、してんすか…』

『僕はいつも通りだよ…』

『A様、笑ってください…』

『…』

『貴女は、笑顔が…1番かわいい』



僕の頬に手を当て無邪気に笑って見せる彼。
それに応えるように僕も笑ってみせる。

すると安心したように。
ゆっくりとその瞼を閉じ永遠の眠りについた。



ーー



次に、隊員で1番の巨体の彼が発熱と吐血をした。



『A様、』

『喋らなくていいよ…!!』

『いつか、貴女のその光を…見つけてくれる人が、現れますよ』

『…え?』

『A様は、紛れもない…王の器だ』



彼が亡くなってしまった今、その言葉の意味を知る由は無くなってしまった。



ーー



そして最後の彼も倒れてしまった。



『A様、何かあったら、いつでも呼んでください…。誰より…何より…速く、駆けつけますから…』

『…っ』

『大丈夫。貴女は1人じゃない。
大好きですよ、ありがとうA様』



そして彼も。
その生涯に幕を下ろした。



ーー









パチパチと遺体を燃やした。
病気で骨はボロボロになり、燃やした後からは何も残らなかった。









七魔導師団 : 6名死去
残員 : 1名

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