【マギ】神出鬼没なマギ4.〜アルマトラン編.後編〜

第164夜 これは血ではありません!! ページ17

フォカロルの強行手段に悲鳴をあげれば、ライが飛んできて。

そしてそのまま強制退場させられていく。





「A、これで栄養を摂るといいよ」

煩いのがいなくなってホッとした矢先。セッタが飲み物片手に入ってきた。


「野菜と果物から作ったものだから栄養満天だよ。疲労で倒れるなんてクールじゃないね」

「うん。クールっていうか。この飲み物凄く赤いんだけど大丈夫?」


手渡された杯の中には、鮮血かってほど真っ赤なもの。彼曰く、トマトや桃などを混ぜて作ったらしく。


「じゃあ僕はそろそろ行くよ。兄さんにも渡さないといけないからね」


バタン…。とドアが閉まる。

ねぇ、セッタさん。
貴方これ、ちゃんと味見しましたかね?
見るからに怪しいんだけど!! でも、セッタの作った物に不味いものはないはず。飲めA!!

ゴクッ…。

…。

「…ゴフッ!!?」

ごめん、ごめんよセッタ!! お世辞でも美味しいとは言えない。不味いよ!!


思わずその場に膝をつく。
吹き出したそれが真っ白な服に飛び散る。


「ゴホッ! ゴホゴホッ!!」

そしてコンコン…。
と誰かが扉をノックする音が。

ごめんよ扉の前の人。
僕は今それどころじゃないんだ!!

「ゴホゴホッ!!」

「…A? 大丈夫かい?」


どうやら叩いた主はアルバだったようで…。
異変を感じとったのか早急に扉が開け放たれる。
そしてそこには…、

「…」

うずくまるA。
真っ白な服にはべっとりとした赤。
それは本人の口からポタポタと滴り落ちて…。

「やぁ、アルバ。どうし…ゴフッ!!」

「みっみんなーー!! Aが口から血を吐いてるよ!!」


ドタドタドタ…。
過ぎ去って行く足音。


何だったんだ? まぁ、いいか…。
それより!!


『兄さんにも渡さないといけないからね』

「イスナーン…。イスナーンが危ない!!」


彼の事だからきっと無理をしてでも飲むのだろう。そして喜ぶセッタは次から次へと杯を継ぎ足していくところが目に浮かぶ。


急がなければ!! 走れ、走るんだ僕!!
初代守護神として守るんだ!!

部屋を飛び出しセッタとイスナーン探しを始める。








一方、服に血らしきものをつけ爆走する初代の姿を目にした異種族…。


「きゃーー!! 初代が血まみれよ!!」

「王よ、ソロモン王よ!! A様が!!」

「「いやーー!!」」


本拠地、パニックに陥る。









「見つけたぞA!! 」

そしてその後。
血まみれの初代が爆走してると通報があったソロモンに捕獲されるのであった。

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