第142夜 無限大の魔法 ページ44
草木も眠りにつく夜中。
あれからライを寝かせつけ、残りの仕事を片付けた僕。
久々にセバスチャンに会いに来た。
「ハハハ!!子供は真似をするか…。お前も幼き頃、レイメスの真似をしていたではないか」
「それは、だって。レイメスは憧れの人だし、とてもかっこいいからで…」
幼い頃、彼の魔法を見せて貰った事がある。
それはそれは。とても強く、綺麗な魔法で。
あんな人になれたら…、と心から思った。
「そういうことだ」
「ん?」
セバスチャンにもたれ掛かり座り込む僕の頭を撫でる。
「お前もまた、その者たちから見たら憧れの存在なのだろう」
その言葉に心が高鳴る。
憧れ…。そんな存在に自分自身が?
何だこの感じ…。なんていうか、凄く…!!
「A、照れているのか。かわいいな」
「てっ照れてない!!」
いや、確かに顔が熱いけれども!! セバスチャンは笑ってるけど、僕は必死なんだから!!
すると突然顔を近づけてくるセバスチャン。
「A。一つ、いい話をしてあげよう」
「え、あー。もしかしてまたあの物語?」
もうあれは聞き飽きたよ…。小さい頃からずーっと聞かされ続けてきたんだもん!!
疲れが眠気を呼び込み目を開けてられなくなる。セバスチャンの身体をベッド替わりにして持ってきた毛布をかぶる。
「いいや、あれはもう飽きただろう?」
頭上からの優しい声が心に染みる。
思えば、僕を育ててくれたのはレイメスとセバスチャンだったな。種族すら違う僕に沢山のことを教えてくれたセバスチャン。
レイメスには魔法を教えて貰った。
「仲間を守りたいという思いは、無限大の魔法だ」
「無限大の…魔法」
僕はいつ死ぬか分からない状況下で戦っている。死してもなお、守りたい者を守り抜ける魔法がそこに隠されているならば…。
「ねぇ、セバスチャン?」
「なんだ? 眠たいのならもう無理をするな」
「僕が死んでも皆を守れる魔法は、そこにあるのかもね」
温もりを感じるその身体に全てを委ねれば。
擦り寄ってくるように頬擦りされる。
「お前が死んだら、私は耐えれん」
「大丈夫。生まれ変わって会いにくるよ」
長く生きてるのにやっぱり死に対しては慣れないんだね。あれ?でも、これは慣れちゃいけないのか。
僕は皆より長く生きるんだから。誰かが死んだ時にちゃんと涙を流せる心を持ち続けていたいな、セバスチャン。
無限大の魔法。
それは誰かを守りたいと思う心から生まれる
特別な魔法。
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (
レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください！！！勉強？なにそれおいしいの？ (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2015年8月1日 13時
