第122夜 夕暮れの世界で ページ24
「A!!帰還の報告も無しにこんな所で遊ぶな!!しかも何だ。たまたま通りかかったら告白だと?俺が許すと思ったか!!」
「ちょっとくらいいいじゃん!!シトラーが可愛くて死にそうだったんだよ!!告白の件は僕に怒らないで!!」
「A様、結婚してください!!」
「君は少し空気を読め!!」
ギャーギャーと言い合いが続く。帰還の事に関しては僕が悪かったけど、告白の件まで怒られるとか…。あぁ、哀れな僕。
「ちょっとくらいってな、帰還の噂からどれくらい経ったと思ってるんだ!!」
「そんな事も噂になってるの!?人気者って辛いなーー!!」
「それから今日の夕飯の材料が無いから買って来いってセッタが言ってたぞ!!」
「あぁ、そうですか!!じゃあ行ってこようかな!!」
2人を僕から引き剥がし仁王立ちをする。
この前から食糧の買い出し役は僕に決定したのだ。セッタがイスナーンに頼んだ所、トマトと桃を間違えて買ってくるという悲劇が発生。
「一緒に行ってあげてもいいんだぞ!!」
「ソロモンが居なくても何とかなるけど、自ら荷物持ちを志願したその志を認めて一緒に来ることを許そう!!」
そう言うと共に2人してずんずんと突き進んで行く。
「てか、さっきから怒ってごめんね!!」
「あぁ?お前が素直になるとか珍しいな!!」
「うるさいな!!報告遅れて心配させて悪かったよ、今後気をつける。ごめんね!!」
「俺も悪かったよ!!すまなかったな!!」
ピタッと足を止めて仲直りの握手。
この喧嘩から仲直りまでの手順は昔から変わってないな。
2人で夕暮れの街を並んで歩く。頼まれた食材を買い終え、皆のいる本拠地へ戻る道で。
「なぁ、A」
人通りの少ない道でソロモンに声をかけられる。何事かと振り向くと、そこには深妙な顔をしたソロモンが。
「そんな顔してどうしたのさ」
「最近、嫌な夢ばかり見るんだ」
詳しく聞くと、あの夜と同じ夢をよく見るという。僕が死んでしまい急に世界から姿を消す夢を…。
「お前は強い。だからこそ心配なんだ。お前が消えた世界が何処かに存在したなら、第7基地や俺はどうなるんだって」
僕の両肩を掴み痛いくらいに握ってくる。
「でも、もし、そんな世界が訪れたとしたなら、君は…」
「あっ!!Aにソロモン!!」
話を遮り声をかけてきたのはウーゴ。遠くからこちらに手を振っている。
「迎えが来たね、帰ろうか」
「…あぁ、そうだな」
彼の手を握り、夕暮れの世界を歩いていく。
握り返された手は少し震えていた。
第123夜 満天の星空と握られた手→←第121夜 物事には順序というものが…
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (
レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください！！！勉強？なにそれおいしいの？ (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2015年8月1日 13時
