第111夜 魔法使い ページ13
あれから何時ものように皆でセッタの作ったご飯を食べ、たわいも無い会話をしたのち就寝を向かえた。
昼間たくさん動いたに関わらず何故か寝れない。無理に寝ても仕方ないからお馴染みの建造物の上で星を眺める。
闇の番人が世界を見つめる世界。番人の臣下として世界に光を落とす星々。
光と闇の番人がいる限りこの世界は光を持ち周り続けることができる。
「は〜ぁ。人員どうしような」
統制に向けての人員集め。希望者はたくさんいるけれど、敵を倒すことを目的とした人ばかり。
『A様。優しさで世界は動きません』
却下された者が僕に言い放った言葉が脳裏によぎる。
うん。そうかもしれないね。だけどさ…。
「そんな世界だからこそ優しさが大切なんだよ。きっと…」
あの時、訴えてきた彼に僕は苦笑いしかできなかった。それは彼が言ったことを少しは痛感してたからで。
そんな事を思って星空を見上げていると、
「A…、だよな?」
後ろからソロモンの寂しそうな声が。
「そうだよ?どうしたの、そんな顔して。」
振り返ると見えた彼の泣きそうな顔。何時もは見ないその顔に可笑しくて笑みがこぼれる。
すると建造物の上を駆け抜けて来てギュっと僕に抱きつくソロモン。
「怖い夢でも見たりした?」
「…あぁ。1番見たくなかった夢だった。正夢になりそうで怖い…!!」
落ち着けるように背中を撫でてその場に座らせる。それでもなお、僕を離すまいと苦しいくらいに抱きしめてくる。
「誰かが…、死んじゃった?」
「あぁ。1番大切な奴が目の前から居なくなった…。昔から一緒だったのに、急に姿を消した…!!」
小刻みに震える彼の肩に、持参してきた毛布をかける。
「それは…、アルバ?」
「違う」
「じゃぁ…、ウーゴかな?」
「それも違う」
ぐっと抱き寄せられて彼の胸板が頬にあたる。
そして彼は口を開き…、
「Aだ…。ある日統制に行ったきり帰ってこなかった…!!どれだけ探しても見つからなかった…!!」
そう語るソロモンの声は震えていて。
「A、統制行くなよ。もし本当になったら俺は…!!どうすればいい?」
「大丈夫だよソロモン。それはただの夢だから。幻だからね。だから安心して」
彼の少し癖のある髪を撫でるとだんだん震えが解けてゆく。
「A、魔法使いみたいだな」
「僕は魔法使いだよ…」
その言葉を聞き届けるとほぼ同時に、僕を抱きしめたまま彼は夢の中へと落ちていった。
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (
レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください！！！勉強？なにそれおいしいの？ (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2015年8月1日 13時
