【マギ】神出鬼没なマギ2.〜王の器になるべき者〜

第82夜 バルバッド王国 ページ33

宛てもなく旅をするのが僕流の旅で。


そんな旅路では、
何故か毎回盗賊団に襲われ戦うのが普通だったけど…。


今回はそんな事も無く、
無事バザールに到着することができた僕達。



「いや〜。今回はラッキーだったね!!」

「はい。襲われることなく無事着けました。」



徒歩と浮遊魔法を繰り返して数時間。



辿り着いたのはバルバッド王国。
煌帝国の介入により街には面影があるものの殆ど変わってしまったとの情報はどうやら本当だったみたいで…。


服装も規定の服。
白は高貴な色として庶民は身に着けることは禁止。



それに加え、奴 隷制度…。



「はぁ〜。気が重い」

あっちを見れば奴 隷。
こっちを見ても奴 隷。


人を鎖で縛って何が良いんだか…。




なんて思ってみても現状は変わらない訳で。


兎に角、何処か店に入ろう。
もう疲れた。お腹すいた。眠たい。


「人間の本能丸出しですね」

「煩いぞ!」


なんてやり取りの差中。


「転んで果物台無しにするとは奴 隷の癖に生意気な!!」


ざわつく人混みの中からそんな叫び声。


「弁償できんのか?こんな子供には無理だよなぁ!!」


人混みをかき分け見えてきた光景。


周りから話を聴くには、どうやら奴 隷の女の子…と言ってもまだ10歳にも満たないと思われる子が転んで果物を落としたらしい。

それに怒った奴 隷商人が殴ったり蹴ったりしてると…。


えー、でもさぁ。
そんな小さな子にあんなに持たせる君も君だと思うけど…。


「ニャニャ!!」

「あっ!ちょっとクロ!?」


僕の肩から飛び降りたクロが女の子を庇うようにして立つ。


「あぁ?なんだこの猫。野良猫か？」


いいえ。違います。


「薄汚い色しやがって」


それは地毛ですよー。


「邪魔だ!どっかいけ汚らわしい!!」


あぁ?今なんだって?
言わせておけば好き勝手言いやがって!!


「お前の方が汚らわしいわーーー!!」

「!?」


驚く商人に向かって飛び蹴り。

盛大に吹っ飛ばされる商人。

一気に静まり返る民集。



「あ…。あ…」

そして間抜けな声を出してる商人に一言。


「汚らわしい?」

「あ…。あ…」

「お前の顔の方が汚らわしいわーーー!!」









バルバッド王国に着いて早々この事件。









やっぱり僕達の旅に、
何かしらの事件は付き物のみたいです。

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