【マギ】神出鬼没なマギ2.〜王の器になるべき者〜

第74夜 ギブアンドテイク ページ25

「あー。歩くの疲れた。ユナンの所為で疲れた」

「何で僕の所為になるのさ…。
元は金属器取られた君の所為でしょ？」




おぉ…。まぁそうだけどさ。
あー。何処に居るんだよ。





何て考えていると、

「ユナンさん！」

と、あの変態を呼ぶ声。



その声を聞いて、

「A、僕はアラジンとの約束があるから後は自分で探してね」

「え？あっちょっと！！」

アラジンと共に姿を消す。



え。何これ…。
取り残された感半端ないんですけど。
え。やだやだ。友達居ない人みたいになってるじゃん！！



あっちでもドンドンドン！！
そっちでもドンドンドン！！
此処だけチーン…みたいな。


それに踊り子さんの衣装も露出激しすぎんだろあれ。





一人夜空を見上げて思い出す。
此処、シンドリアに来てからずっと思っていた。


この国は眩しい。人も生き生きしてて。

「それとシンドバッドさんの照らし出す光が強すぎる」


はぁ…と、ため息混じりに呟く。
照らし出す光が強すぎる。強すぎるんだよ…。
それともう一つ。


「シンドバッドさん。後着けるなんていい趣味だね」

「ははは！バレていたか！！」


コソコソと後を着ける彼を指摘。


「お嬢さん、少し時間を貰えないか？」

「僕も君に用事があるからね。いいよ」









周りが騒がしい中、
彼に連れて来られた場所。

シンドバッドさんとは机を挟んで座ってる形になってるけど…。


「シンドバッド様〜！」

「私も膝に乗せてください〜！」


僕の見間違えかな？なんか一国の王様が両膝に女の人乗せてるんだけど…。

ゴシゴシ。
うん。見間違いじゃなさそう。

なんて一人で目を擦って納得していると、

「さてさて…」

そう言いながら女の人達を膝からおろす。

そして僕を見つめる彼。

おぉ…。女の人達の視線が痛い。
身体に風穴が空きそう…。

「やぁ、お嬢さん。
俺のことは憶えてくれているかい？」

「憶えてるよ？記憶が飛んでないか心配してくれたの？」









その質問に彼は答えなくて…。













涼しい風が吹く中。









「これ。お嬢さんのだね？」

見せられた金属器。

「そうだよ。返してくれるの？」

「返そう」


差し出された金属器に手を伸ばす。
あと少しで触れるって所でそれが引っ込む。


「ただし。俺の質問に答えてからだ」

「ギブアンドテイクってこと？」





その言葉を肯定するかのように彼が微笑んだ。

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