検索窓
今日:17 hit、昨日:3 hit、合計:266,930 hit

第73夜 手を取り合って ページ24

ユナンに引きずられながらシンドバッドさんの所へと向かう。





「ユナン」

「なんだい?」

「僕の代わりに取り返してきてよ」

「ふざけてるの?」





いや。
別にふざけてるとかじゃなくてさ…。
なんか…。苦手なんだよね。
シンドバッドさんのこと。





「前にさ…、」

「ん?」

「前にユナン言ってたじゃん?シンドバッドさんのことが怖いって」

「そうだね」

「なんかね。分かるよ。交わした言葉も少ないし、彼の何を知ってるのって聞かれても答えられないよ?だけどさ…。なんか怖いって言うか苦手って言うか…」

「…」

「あはは!駄目だよね!人の事をよく知らないくせにそういうこと言うのは!!」

「…」

「ごめんね、ユナン。君の選んだ王候補の事悪く言っちゃって…」

「…」

「シンドバッドさんは僕なんかより優れてるし、ジンも7つ持ってるしね!僕なんかがどうこう言える資格なんて無いよね!!」







その言葉を機に謝肉祭が幕を開けた。





人々が騒ぐ中、
此処だけ切り取られたように静かに感じる。




足を止めたユナンがその事について何を話す訳でも無く、只々時間が流れていく。



空を見上げれば満天の星空で…。



あぁ。やっぱり綺麗だなぁ〜。
アルマトランの星もこんなんだったなぁ〜。



なんて、場に合わない事を思ってみたり…。




「正真正銘、君はマギだね…」


そんな中、突然呟かれた声。


「突然どうしたユナン」

「君は紛れもない本物のマギだよ…」

「異質なね…」



居るはずの無いマギ。
それは向こうの世界でも此方の世界でも変わらなくて…。



それを思う度、
自分の存在が、生きてる意味が分からなくなる。



「A。異質でも何でも、君は彼の事を怖いと言った。それはね、マギの本能だよ」



隣に座り込むユナン。
ユナンは三人のマギの一人。
僕は異質なマギ。








だが存在は違えど、







「ほら、行くよ?」

「んー」









そう言って差し出された手を取り合って、
歩んで行くことができる。

第74夜 ギブアンドテイク→←第72夜 頬取れる3秒前



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (150 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
223人がお気に入り
設定タグ:マギ , ユナン , ソロモン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

千年彗星 - 花臨さん» コメントありがとうございます(*^^*)進○の巨人にもそんなシーンがあるんでしょうか?よく知らないので時間の合間に読んでみようかと思います(*^^*) (2015年10月5日 0時) (レス) id: c561c3ef2a (このIDを非表示/違反報告)
花臨 - 凄く面白いです!更新を毎日楽しみにしてます! 89話「人間です」……進●の巨人ですかね(笑) (2015年10月4日 13時) (レス) id: 932ef91d5e (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - 紅鈴さん» コメントありがとうございます!更新率遅くてごめんなさい!!そう言ってもらえるととても嬉しいです(*^^*)頑張ります!! (2015年7月24日 21時) (レス) id: 81bd355fba (このIDを非表示/違反報告)
紅鈴(プロフ) - 千年彗星さん» いつも更新するのを待ってます!頑張って下さい!!v(*⌒0⌒)v頑張って♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: da4cbf1016 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - まめもちさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できませんが精一杯尽くします! (2015年7月19日 17時) (レス) id: 3062e15b98 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年2月3日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。