第98夜 いつかこれが… ページ49
転送魔法とは便利なもので。
シンドリアから会談の場までこれを使えば簡単に行けるんだけど…。
「転送魔法で行こうよ」
「やだよ!!だいたい場所分かんな…」
「ほら。迷宮攻略した際に休憩場所として留まったあそこだよ」
便利なものに限って命令式の量が半端ない…。
だから修得困難、幻の魔法と呼ばれているのだ。
「A、お願い」
「やだ」
さっきからこの繰り返しなのだ。
すると急にユナンが意味あり気な笑みを浮かべ、
「じゃあいいよ」
お、諦めてくれたのか?そうそう、諦めな!!
諦めるが勝ちって言うしね!!
「Aの迷宮攻略の始まりは杖に躓いて落ちたことからですって会談の場で言うから」
「うおおおお!!!」
それはダメだ!!暗黙の歴史!!
恥ずかしい!!恥ずかしすぎるぞ!!
「さぁ行こう!!すぐ行こう!!今すぐ行こう!!」
神杖をシャンっと鳴らし転送魔法。
目的地はマグノシュタットとレーム大陸間の海峡近辺の島!!
朝日が真上に昇りきった頃…、
「到着!!」
「ニャ!!」
ふぅ。やっぱりこの魔法は便利だわ。景色を楽しめないのがアレだけどね…。
「やっぱり君は魔法に関しては飛び抜けて優れているね…」
「そりゃあ、典型的な魔道士ですならなぁ」
魔導士として産まれ、魔道士として育ち、魔道士として死と隣り合わせの日々を送ってきた。
「じゃあ、早速準備しようか」
「主!!私も手伝います!!」
「ニャニャ!!」
魔力逆流防止弁の上に巻いてある包帯をとる。
すると、必然的に見えてくるのが空間の歪みを塞ごうとして出来た火傷で…。
やばっ!!
これユナンに見つかったらまた怒られ…
「この右手側にある火傷は何だい?」
「(最悪だーーーー!!)」
見つかっちまったよおい!!
すると、以外にも怒りもせずにそれを治してくれる彼。
ユナンは僕が治癒魔法苦手なのを知ってる。
世界を守る為に行動してる自分勝手な行動も。
けれど、彼は優しいから…。
何も言わず綺麗に傷を治してくれるんだ。
準備も終わりを迎え休憩時。
そんな中、準備した大きな椅子に神杖片手に座ってみる。
「見て、王様みたいでしょ!!」
ちょっとした好奇心というやつですな。
すると、何を思ったのか僕の座る目の前で片膝をつく彼。
そして草花で作った冠を差し出す。
屈んでそれを乗せてもらう僕。
「いつかこれが…本当になることを祈るよ」
優しき王と、それを支えるマギ。
来たるべき時代の王とマギ。
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千年彗星 - 花臨さん» コメントありがとうございます(*^^*)進○の巨人にもそんなシーンがあるんでしょうか？よく知らないので時間の合間に読んでみようかと思います(*^^*) (2015年10月5日 0時) (
レス) id: c561c3ef2a (このIDを非表示/違反報告)
花臨 - 凄く面白いです！更新を毎日楽しみにしてます！ 89話「人間です」……進●の巨人ですかね(笑) (2015年10月4日 13時) (レス) id: 932ef91d5e (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - 紅鈴さん» コメントありがとうございます！更新率遅くてごめんなさい！！そう言ってもらえるととても嬉しいです(*^^*)頑張ります！！ (2015年7月24日 21時) (レス) id: 81bd355fba (このIDを非表示/違反報告)
紅鈴(プロフ) - 千年彗星さん» いつも更新するのを待ってます！頑張って下さい！！v(*⌒0⌒)v頑張って♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: da4cbf1016 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - まめもちさん» コメントありがとうございます！なかなか更新できませんが精一杯尽くします！ (2015年7月19日 17時) (レス) id: 3062e15b98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2015年2月3日 23時
