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第45夜 優しき王 ページ45

優しき王…。







僕はAのことをそう呼んでいる。

彼女は優しくなんてない…と言っているが、
周りからみればそれは優しさ以外の何物でもなかった…。









「この世に価値のない命はないんだよ?」




今さっき死にかけてた子供を助けたA。



この国は魔道士が滅多にいないため、
傷を簡単に治してしまうAには珍しいものでも見るかのように人が群がっていた。




「よく考えてみて。
君達は誰かを必要としたことがあるでしょ?
それと同じに、
君達を必要としてる誰かがこの世にはいるんだよ?」





僕は耳がいいから、
さっきから遣り取りが丸聞こえだったわけで…。





「だから…。
そんな悲しいこと言わないでよ…」





そう優しく語るAに民集はひたすら耳をすませていた。





「でも…。
それでももし、誰にも必要とされていないと思ったら…」




そう言うと、
紺色の髪を靡かせながら高く積まれた瓦礫の山
を軽々と超ると、頂上に立つ。






「この僕が必要としている事を忘れないで!」





Aが杖をつくと…、

シャン…っと心地良い音が鳴り響く。





青い宝石に星の飾りの付いた杖を片手に立つ
彼女の姿は当に王…。








「ふふふ…。全く君って人は…」




君は気づいているかな…?
あれだけ絶望の目をしていた民集が
今、
君の声を耳にして希望の目に変わりつつあることを…。








「早く君と国を創りたいな…」






そしたらきっと…。
否、絶対何処にも負けない良い国になる…。









真上に昇った朝日が王国を照らすように、
優しき王は黒く淀んだ民集に光を照らした。

第46夜 嬉しそうな横顔→←第44夜 価値のない命



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千年彗星(プロフ) - 明日香の部屋さん» コメントの方ありがとうございます。私のなかで誰落ちかは決まっていますが、それは作中にて明らかにしていきたいと思っています。ので、今のところは秘密ということにしております! それも含めて楽しんでいただけると幸いです! (2018年6月24日 15時) (レス) id: ca20c9b892 (このIDを非表示/違反報告)
明日香の部屋 - 質問です!これってユナン落ちですか? (2018年6月23日 22時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - 練紅夜さん» コメントありがとうございます!!これからも頑張ります!!! (2015年3月28日 7時) (レス) id: 009baac5cd (このIDを非表示/違反報告)
練紅夜 - スッゲーーーおもしろいです!!これからも頑張って下さい!応援しています。 (2015年3月28日 0時) (レス) id: ae8005f413 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - メイアさん» ありがとうございます!! (2015年1月22日 0時) (レス) id: cae631ef11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千年彗星 | 作成日時:2014年11月18日 23時

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