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第44夜 価値のない命 ページ44

人が群がる中、
無我夢中で目の前の少年を助ける我が王。









「よし!これで終わり!!」

「お疲れ様です!」



そう声をかければ、
満面の笑みで笑いかけてくるものだから自然と此方の頬も緩んでしまって…。









ずっと、
一人で辛いことを乗り越えてきている我が王。
相談すればいいのに…。
相談して欲しいのに…。
その思いは届かなくて。







まだ、
自分自身が力になれていないと思ってしまう。









「おい。彼奴助かったってよ」

「馬車に引かれたから駄目かと思ったのに」



そんな思いを断ち切るように、
群がる人の中から聞こえてきた声。


その声を聞いて、
我が王が反応したのを私は見逃さなかった。



「ねぇ…」



その透き通るような声にピタリと辺りは静寂に包まれる…。



「この子が死にそうなの、知ってたの?」




その問いに誰も答えない。



すると…

「そんな価値のない俺らが死んだって…」

なんていう声が所狭しとあがる。






それを聞いて、
治療済みの少年を私に預け立ち上がる我が王。






「価値のない命がこの世にあるわけない!!」





その声は怒りに満ちていた。

だが…。
何処か優しさで溢れていた。









我が王は変わらない。
昔も今も。


我が王自身、
その優しさが時に落とし穴となってしまうことは重々承知…。



だが、
優しさを失ってはいけないと、
私は我が王から学んだ。









『優しさを失ってしまう。
それは何よりも悲しいことだよ?シトラー』









いつかの旅先で、
私に向けて言ってくれた…。



その当人…、
我が王が今、
この民集の前に希望の声をあげる。

第45夜 優しき王→←第43夜 一つの命



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千年彗星(プロフ) - 明日香の部屋さん» コメントの方ありがとうございます。私のなかで誰落ちかは決まっていますが、それは作中にて明らかにしていきたいと思っています。ので、今のところは秘密ということにしております! それも含めて楽しんでいただけると幸いです! (2018年6月24日 15時) (レス) id: ca20c9b892 (このIDを非表示/違反報告)
明日香の部屋 - 質問です!これってユナン落ちですか? (2018年6月23日 22時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - 練紅夜さん» コメントありがとうございます!!これからも頑張ります!!! (2015年3月28日 7時) (レス) id: 009baac5cd (このIDを非表示/違反報告)
練紅夜 - スッゲーーーおもしろいです!!これからも頑張って下さい!応援しています。 (2015年3月28日 0時) (レス) id: ae8005f413 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - メイアさん» ありがとうございます!! (2015年1月22日 0時) (レス) id: cae631ef11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千年彗星 | 作成日時:2014年11月18日 23時

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