第43夜 一つの命 ページ43
人通りが疎らな通りをひたすら走る。
「こんなに走ってどうしたんだろ…」
「それは、あの猫にしか分からないことです」
なんて会話をしていると、
ピタリと立ち止まる猫。
「ちょっ！！
そんな急に止まったらぁーー！！！」
ズッシャーー！！
という何とも痛々しい音が耳に届く。
…。
あれ？
今何があったんだ？
「主！！大丈夫ですか？
猫に躓いたんですよ！！」
所々痛む身体を起こし振り返る。
そこには僕が転んだ原因の猫が座っていて…。
「ニャ〜」
「なんだよその目は！！」
すごいジト目で僕を見つめてる。
…。
今日はいいことを学んだな…。
「いいことですか？」
「猫は急に止まれても、人は急には止まれない」
うん。
これから猫の後ろを走る時は気をつけよう。
…なんて思っていた差中、猫の隣に小さな何かが転がっているのが目に入る。
ん？
あれは…。
人？
それともゴミの塊か何かか？
「ニャーニャー」
その得体の知れない何かを、
心配そうに見つめる猫。
それに惹かれるように足を進めると、
露わになるその物体…。
「え！！君、大丈夫？」
それは紛れもなく人であり、
まだ未来に希望を持つ幼い子供だった…。
「君、どうしたの？」
「うぅ〜」
その子の傍で跪き抱き上げる。
…。
あれ？
この子…、
骨折れてる…？
「シトラー。ちょっと手伝って」
「はっはい！！」
魔力逆流防止弁を外してルフの力を借りる。
すかさず八芒星に触れれば姿を現すシトラー。
「主！私は何をすればいいんでしょうか？」
「兎に角、
この子の意識が飛ばないように声かけて！
飛んだら最期だと思った方がいい」
「分かりました！！」
そう、さっき抱き上げて分かった。
この子の骨は粉砕まではいかなくても、
生きているのが不思議と思うくらいだった。
抱いただけで分かる。
それほど悲惨だった。
「生きてるのが奇跡だよ…」
すかさず魔力操作で調べにかかる。
…。
くそ！！
殆どの骨がバキバキじゃないか！！
これは全身に治癒魔法かけた方が早いな…。
「お姉ちゃん…。もう…いいよ…。
もう…。無理だよ…」
「ははっ！なにが無理だって？
僕の前で死ねると思ったら大間違いだよ？」
治癒魔法をかけると紫のルフが集まるように、
人もぞろぞろと群がってくる。
命に無駄なものなんてない。
未来を生きる君を助けたい…。
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千年彗星(プロフ) - 明日香の部屋さん» コメントの方ありがとうございます。私のなかで誰落ちかは決まっていますが、それは作中にて明らかにしていきたいと思っています。ので、今のところは秘密ということにしております! それも含めて楽しんでいただけると幸いです! (2018年6月24日 15時) (
レス) id: ca20c9b892 (このIDを非表示/違反報告)
明日香の部屋 - 質問です！これってユナン落ちですか？ (2018年6月23日 22時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - 練紅夜さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！！ (2015年3月28日 7時) (レス) id: 009baac5cd (このIDを非表示/違反報告)
練紅夜 - スッゲーーーおもしろいです！！これからも頑張って下さい！応援しています。 (2015年3月28日 0時) (レス) id: ae8005f413 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - メイアさん» ありがとうございます！！ (2015年1月22日 0時) (レス) id: cae631ef11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2014年11月18日 23時
