検索窓
今日:9 hit、昨日:22 hit、合計:559,988 hit

第36夜 小さな小さな再会 ページ36

まだ、
朝日が見えない世界で…。





僕は次の旅路を歩いていた。

まぁ。
何処に行くかなんて決めてないけど…。









「ねぇ。シトラー。起きてる?」

「…」

「寝ちゃったのか…。つまんないの」









流石に朝日が昇ってないだけあってとても静かだ…。まだトランの人達も寝てるよね…。
久しぶりに会えると思って楽しみにしてたんだけどな…。残念…。









『あーあ。暇だなぁ〜』

『暇なら俺と一緒に次の作戦を考えてくれ!』

『…』

『おい!無視すんな!!』









「あーあ。暇だなぁ〜」




なんて呟いてみても、
あの頃のように返答なんて返ってくるはずなくて。









サァ…。
という風の音と共に、
夜明け特有の匂いが仄かに香る。






すると突然の


「ニャオ…」


という猫の声に立ち止まる。


「あ…。君、知ってるよ?この前僕の膝の上に座ってきた子でしょ?」









目の前には一匹の黒猫。
そう此奴はこの前、
旅の休憩時に木陰で寝ていたら知らぬ間に膝の上で寝転んでいたのだ。
それ以来、出会わなかったのに…。









「これもまた、運命というやつかな…」






こんな小さな出会いがあるから、旅はやめられないんだよね!





「じゃ!また何処かで会おうね!!」




そう言って黒猫の横を通り過ぎる。


「ニャ!」


その声と共に足下に温もりを感じる。




「ニャ!!」

足下を見ると僕にピッタリとくっついて離さまいとするあの黒猫の姿が目に入った。




「え?なに?」

「ニャ!!」


え?いや。だから。
ニャ!だけじゃ分からないって!!


「え?え?」


一人でオドオドしてる僕。
これ機からみたら可笑しな人だな。
よかった〜。人いなくて!!


「その猫、一緒に旅に行きたいんじゃないでしょうか?」

「うおお!起きてたの?」

「主のオドオドした声で起きました」


おお。
なんかごめん。


「え?旅?猫が?」

「はい。聞いてみたらいいですよ」

「え〜と…。いっ…一緒に旅する?」


うわ〜。猫に話しかけるって…。
また変人に一歩近づいた。


「ンニャ!!!」

そう鳴くと同時に、
器用に僕の身体を登って肩に乗る黒猫。



「旅仲間が増えましたね!!主!!」

「うん。まぁ…。猫だけどね…」









まるでその者達の再会を歓迎するように…。
憎たらしいくらいの光を帯びて。
朝日が今、昇り始めた。

第37夜 それは誰も知らない→←第35夜 心の隙間



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (189 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
341人がお気に入り
設定タグ:マギ , ユナン , ソロモン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

千年彗星(プロフ) - 明日香の部屋さん» コメントの方ありがとうございます。私のなかで誰落ちかは決まっていますが、それは作中にて明らかにしていきたいと思っています。ので、今のところは秘密ということにしております! それも含めて楽しんでいただけると幸いです! (2018年6月24日 15時) (レス) id: ca20c9b892 (このIDを非表示/違反報告)
明日香の部屋 - 質問です!これってユナン落ちですか? (2018年6月23日 22時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - 練紅夜さん» コメントありがとうございます!!これからも頑張ります!!! (2015年3月28日 7時) (レス) id: 009baac5cd (このIDを非表示/違反報告)
練紅夜 - スッゲーーーおもしろいです!!これからも頑張って下さい!応援しています。 (2015年3月28日 0時) (レス) id: ae8005f413 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - メイアさん» ありがとうございます!! (2015年1月22日 0時) (レス) id: cae631ef11 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:千年彗星 | 作成日時:2014年11月18日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。