第19夜 今を生きる旅人 ページ19
過去を後悔しても仕方ない。
これから何が起こるか分からない未来の事を
心配しても仕方ない。
そう。
人は今という時しか生きる事ができないのだ…。
「へぇ〜。
じゃあAは旅人なのかぁ〜」
返事の代わりにコクコクと頷く少女…
否、A。
Aとは会ってまだ間もなく、
何一つAの事を知らない僕だけど…。
たった一つ…。
本当たった一つだけど…。
Aは誰にも負けない優しさの持ち主と言うことを僕は知った…。
あの後、あのお店を後にした僕たち。
ここ周辺はあまり治安が良くないようで、
路地裏へ入ればそこは帰って来ることの出来ない、許されないような雰囲気が広がっていた。
Aは小柄で可愛いし、背も低い。
しかも、服に一見高価に見える金の星の髪飾りを見た感じ四つくらい刺している…。
きっと、そこに目をつけたんだろうね。
早速、変な奴らに絡まれた僕たち…。
普通の人なら襲われても救う事はしないだろう…。
最悪の場合、
殺してしまう人もいるこの世の中で…。
君だけは違った…。
「こんな事してお金稼ぐの辞めな。
こんなお金で生活しても楽しくも何ともないでしょ…」
あれからAに返り討ちにされた盗賊団。
そんな奴等なんてほっとけば良いのに…。
それなのに…
「君たち強いんだからさ！
キャラバンの護衛の仕事とかについたら？」
Aは彼等に生きる希望を与えた…。
その後、
彼等を連れ回しキャラバンでの仕事まで見つけてあげたA。
しかも、
暫くの生活費として一人一人に金貨を分け与えると言う普通じゃない行為に僕も盗賊団も目を丸くするしか無かった…。
「何で彼等なんかを助けたの？」
するとAは不思議そうに…
「え？何でって…。困ってる人がいたなら助けるのが普通でしょ？」
なんて、当たり前の顔して言うものだから…。
「優しいね…」
なんて言えば、
「ふふふ…。ありがとう！」
って屈託のない満面の笑みでお礼を言われるから…。
そんな優しい君にシンドバッドとは違う魅力を感じたんだ…。
Aは魔道士。
ジンを持てないのは分かってたけど、
もしかしたら持てるかも…。
そんな優しい君を僕の王候補にしたくて…。
そんなちっぽけな可能性にかけてみることにしたんだ…。
「ねぇ…。迷宮、行かない？」
人は今という時しか生きれない…。
誰しもが今を生きる旅人…。
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千年彗星(プロフ) - 明日香の部屋さん» コメントの方ありがとうございます。私のなかで誰落ちかは決まっていますが、それは作中にて明らかにしていきたいと思っています。ので、今のところは秘密ということにしております! それも含めて楽しんでいただけると幸いです! (2018年6月24日 15時) (
レス) id: ca20c9b892 (このIDを非表示/違反報告)
明日香の部屋 - 質問です！これってユナン落ちですか？ (2018年6月23日 22時) (レス) id: 2712192e09 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - 練紅夜さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！！ (2015年3月28日 7時) (レス) id: 009baac5cd (このIDを非表示/違反報告)
練紅夜 - スッゲーーーおもしろいです！！これからも頑張って下さい！応援しています。 (2015年3月28日 0時) (レス) id: ae8005f413 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみみ - メイアさん» ありがとうございます！！ (2015年1月22日 0時) (レス) id: cae631ef11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2014年11月18日 23時
