ふたりのおはなし ページ8
「はぁ〜…！ここが…ソルティコの町？昔と全然違って、こういうところの町並みも栄えてるんだねー！」
私が一人で勝手にわいわいしていると、道中仲良くなったカミュが「落ち着け」と頭を撫でてきた。うん、この人の手はあったかくて好き！
「カミュー！大好き！」
「はっ？よ、よせよそんなこと！」
恥ずかしげに頭をかくカミュに、私はツタのように絡みついた。うーん、こういう男の人はかわいい！
「あ！お取り込み中のところ急に悪いけど、アタシちょっと花摘みしてくるわ。あっちにキレイな花畑があったのよ〜。町の外で待ってるから終わったら呼んでね♥」
シルビアはそう言って可憐に振り返ると、るんるんとBGMがつきそうなほどのステップで外へ出ていった。
「お花摘みって…トイレかしら？それなら町の中にあるはずなのに、シルビアさんったらどうしちゃったのかしら」
そうベロニカが呟くと、次にロウさんが口を開いた。
「ジエーゴ殿はこの町で一番大きな屋敷にいるぞ。では、行くとしよう」
'
'
「今からお偉いさんに会いに行くんだぜ？…」
「Aに離れろと？」
「……仕置きされたいみてぇだな」
私は彼の腕に自分の手を絡ませながら、
わざとらしく嫌そうな顔をしてみせた。
「べっ別にカミュになんか頭踏まれたくないよ？痛いこととかされたくないよ…？」
「へぇ、そうされたいんだな」
カミュの素敵な言葉に いやーーっ！と小さな悲鳴をあげてみたら、ロウさんに「青春じゃのう」なんて言われてしまった。勇者さまは「妄想が激しいよね、これだから被虐癖持ちの子は…」と嘆いていた。
結論→私とカミュだけ置いていかれた。
「…理不尽だ！」
カミュは怒ったのか、私の頭をべしっと叩いてきた。
「……もっと強くってもいいんだよ？」
「はっ？いや…今のはスキンシップの類いで」
「だーりんは優しいんだね。
でも、Aはそんなにヤワじゃないよ」
だ、だーりん……？
と顔を真っ赤にしたこの盗賊さん。
職業柄悪そうに聞こえるけど案外かわいいんだね。と、ほっぺたをつんつんした。
「……お前ってつくづく変な奴だよな。急に現れたかと思えば妙に被虐癖持ってるし、伝説にもなってる奴だし、初対面の相手にもべたべたして……。本当に千切りの姫だかなんだかって奴なのかよ」
カミュは私の手をがっと掴んで、
少し引き寄せた。
「あのなぁ…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリィ - 続き気になります。続編をどうかお願いします！ (2019年1月11日 20時) (
レス) id: 401a5e74b1 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(｡ｰωｰ｡)(プロフ) - パイソンさん» うんっ…！！お婆ちゃんになっても！ずっと待ってる…！！← (2017年8月26日 15時) (レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
パイソン(プロフ) - ンもう、そうやってテンション上げさせるんだから。w待っててくだせえww (2017年8月26日 15時) (レス) id: dee72be6ca (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(｡ｰωｰ｡)(プロフ) - パイソンさん» やだもうそんなこと言って上手いw期待して待ってるww (2017年8月26日 15時) (レス) id: f3a61665cb (このIDを非表示/違反報告)
パイソン(プロフ) - お世辞などではありませぬ。そんなことないですよ…ドがつくほどの下手っぴですw (2017年8月26日 15時) (レス) id: dee72be6ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいにゃん(｡ｰωｰ｡) | 作成日時：2017年8月21日 18時
