革命の光 3【サボ】 (ページ6)

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憎めない人ページ6

私の言葉を聞いて火拳は黙る。
顔が無表情になっている。

今すぐ謝らなければ。

しかし、すでに多少目を引いている。

これ以上ここにいると海軍の目に入ってしまうかもしれない。

『ちょっと来て。』

私は火拳の腕を引っ張って街外れの高台に移動する。人影はなく、ここでなら人目を気にせず話せるだろう。

『ごめんなさい。』

「やっぱり、海軍の奴だったのか。」

『えっ？』「はぁ？」

お互いに顔を合わせる。
意志疎通ができていない。

『あのね私は海軍じゃなくて、革命軍なの。』

もう腹をくくって正直に言う。
この人は言っても大丈夫だろうという私の直感を信じる。

「革命軍ってなんだ？」

火拳はまずそこからわかっていないようだった。

『……て感じで、世界を変えようとしている組織かな』

一通りの説明をしてみる。

火拳はずっと相槌を打っていた。

そんな様子の火拳に対して疑問が生じる。

『革命軍って結構有名だと思うけど……。
新聞とか読まないの？
そんなんでよく生きてこれたね。』

「一言多いんだよ。まぁ俺旅始めたばっかなんだよな。17歳になって東の海の国から出てきた。」

『じゃあ、私と年下なんだ！』

「今何歳だよ？」

『18』

火拳は意外そうな顔をする。
いったい何歳だと思われていたんだろう。

「いや、俺も18だ。」

『えー。一年間も旅してるってことじゃん。
それなのに革命軍知らないんだ。
マイナーなのかな？

それよりも旅の事を聞かせてよ。
どんなところを冒険したの？』

そこから色々な冒険の話をして貰った。

火拳は本当に楽しそうに話してくれた。

この世界に自由なんてないと思っていたのに、火拳の生きている世界は驚くほど、自由で広がっている。

それがとても眩しかった。