ママ ページ4
「ママ、おかえり!田中さん、ママおらんのかってうるさいねん。」
「そりゃ俺はママに惚れてるからなぁ。」
「いやぁ、田中さん、嬉しいわぁ。それ他の人にも言うてるんやろ?」
ママは荷物を冷蔵庫に入れながら話した。
「あ、ママ、紹介するわ!ほら前に話してた、関ジャ〇の村〇くん!」
ママは慌ててこっちに来て、どっかで見た兄ちゃん...いや、村〇さんの顔を見た。
「小さい顔やなぁ。田中さんの半分しか無いやん。可愛らしい顔して〜。」
「あ...あぁ、ありがとうございます。」
ニッコリと綺麗な笑顔で笑う村〇さん。
(...ほー、芸能人スマイルってやつか...。)
私はママが入れ忘れてる食材を冷蔵庫に入れながら観察する。
(確か、何とか夜ふかし...って番組に出てるよな?)
冷蔵庫に食材を入れ終わり、カウンターの中に戻って村〇さんの顔をマジマジと見た。
「そんな怖い顔して見んといてや〜。」
「あ、すみません。男前やなって思って。」
村〇さんの空いたグラスにビールを注ぎながらお世辞を言ってみた。
昔から顔の整った方は苦手...。
芸能人やって気付いた途端にそう見えるから不思議。
いや、確かに可愛い顔していらっしゃるけどね。
「お世辞はいらんで?」
ビールをキュッと飲みながら笑う。
(あ、八重歯...あるんや。可愛いなぁ。)
そんな事を思いながら「ほんまですって!」なんて言う私...。
「Aちゃん、マイク貸して。ママとデュエットするわ!銀恋入れて!」
「また銀恋歌うん〜。」
私は田中さんにマイクを2本渡して、デンモクで曲を探して機械に送信した。
〜♪〜♪
「田中さん...銀恋好きなやなぁ。」
呆れた声で村〇さんが苦笑いする。
「気ぃ向いたら銀恋ですからね。5回位歌う時もありますよ。」
私は手拍子しながら言った。
手招きをしながら「なぁ、Aちゃん、耳貸して。」 と私を呼んだ。
「何ですか?」
カウンターから身を乗り出し気味で耳を近付ける。
「店終わったら...暇?」
「え?」
「俺と遊ぼうや。上手いもん食わせたるで。」
ニッコリと笑いながら私を誘う。
(あー、この顔で笑われたら大抵の女は行くやろな。)
私はカウンターの中に体を戻し、顔の前で手を合わせて「ごめん!」と断った。
※この後、村〇さん豹変します。
めっちゃ嫌な事言います...。
そんなん大丈夫♪って方だけご覧下さい。
ってか、ほんまにこんな客いてるんですよ...。
(;_;)
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作者名:KYRKR | 作成日時:2017年5月20日 1時