年上の彼女。 ページ4
.
『あ、ミッドナイト先生。今お時間空いてますか?』
「大丈夫よ。この間のインターンの件かしら?」
『はい。その時の書類なんですけど__』
Aが1年フロアに来るなんて、珍しい。
大きな職員室の扉の向こう側に立つAは、いつもの少し緩い空気を纏ってはいなかった。
『今年度の本校の1年生が受ける仮免講座についてですが____』
伸びた背筋に、聞き慣れない敬語とあまり動かない表情は俺にとってかなり新鮮だった。
俺の前ではだいたい笑顔だから
そんな様子を見ていると、背後から小さな声がする。その声は間違いなくAの名前を呟いていた。
「あれ、2年の盾石先輩だよな!すっげぇクールビューティ!」
「おい上鳴、LINE交換してこいよォ」
「いや、無理だって。峰田が行けよ!」
黒混じりの金髪と、ボールのような紫の頭
上鳴と峰田だ
アイツらは俺を前にすると"イケメン"だとか、"天然かよォ!!"と叫んでどこかに消えていくから、よく分かんねぇ。
あ、目が合った。
その瞬間、2人は俺めがけてクラウチングスタートを切った。流れるようなフォームで距離を詰め俺の肩を掴むと
「「轟!盾石先輩に俺らを紹介してくれ!」」
「……?ああ、いいぞ」
訳が分からないまま首を縦に振ると、ガッツポーズを決めて上鳴達は喜び始めた。
また訳が分からず、首を傾げる
『焦凍?何してるの?』
少し気の抜けた、Aの声を聞いて振り返る
そこには、いつものどこか気の抜けたAが立っていた。
「コイツらからAに紹介してくれって頼まれた。金髪の方が上鳴で、紫が峰田」
「上鳴電気っていいます!めっちゃ盾石先輩美人っスよね!」
『ありがとう。上鳴君もカッコイイよ』
「お前…!ズルいぞ!」
血涙を流しながらAに近づいた峰田は、得意げな顔をして彼女に話しかける。
「オイラは峰田実!先輩って、ぶっちゃけ好きな人とかいますか!?」
「あ、俺も気になる!」
男2人に囲まれて、少し楽しそうに話をするA。それがどうにも腹立たしくて、無意識に右手が少し動いた。
「ッ冷てぇ!!何すんだよとどろ…ヒィッ」
「A。もうすぐ授業だろ」
『あ、そっか。ごめんありがとう
あと…私焦凍の事大好きだから。またね!』
その一言で、3人の顔が赤くなる。
1人は照れで、2人は怒り。
「なんか悪ィ」
「…ちくしょう!」
「イケメンリア充爆破しろ!!」
334人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫田。(プロフ) - 爆豪いちこさん» 面白いと思って頂けて嬉しいです!!ありがとうございます! (2019年3月25日 16時) (レス) id: 89bfed9050 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪いちこ - 私もヒロアカ書いてるけどこんな面白くかけないのですごく羨ましいです!本当に面白いし好きです、更新頑張ってください! (2019年3月24日 12時) (レス) id: ca9b377dc3 (このIDを非表示/違反報告)
猫田。(プロフ) - 千燈篭さん» ありがとうございます!! (2019年3月23日 12時) (レス) id: 89bfed9050 (このIDを非表示/違反報告)
千燈篭(プロフ) - すごく面白いです!頑張ってください! (2019年3月23日 8時) (レス) id: d8fcfefed1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:猫田。 | 作成日時:2019年3月22日 21時