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弱虫5匹 ページ7

結局私は、応援演奏から逃げた。

3年生の先輩にとっては最後となる応援演奏だから、私よりも先輩がトップで吹いた方がいいに決まっていたし、私も冬のソロコンクールに向けてレッスンがみっちりと詰まっているから応援用の曲目を覚えたり、ましてや東京まで行くことは出来ないと顧問の先生や部長さんに頭を下げてお願いをした。

貴「本音は、倫太郎にバレたくないだけだけどね…。」

__顧問「わかった。ソロ、頑張れよ。期待の新人の高校初ソロコンやからなあ。」

強豪校の鬼顧問と呼ばれているとは思えないほど穏やかに、顧問は私のお願いを了承した。

正直「なめんとんな。」くらいは言われるかと覚悟していたが、ソロコンは思っていたよりもちゃんと【理由】になっていたらしい。

しかし、3年生の先輩、私がトップを奪ってしまった先輩は、そこが気に入らなかったようだった。

ちょっと、いい?

練習を始めようとレッスン室の暖房をつけ、チューナーマイクをベルにつけようとしていた時、私の前にトップをしていた、荒牧先輩は私を呼び出した。

*_____________
貴「どうか、しましたか。」

荒牧「あんた、譲ったつもりなん?」

先輩はどうやら、私が応援演奏のトップを降りたことが不満なようだった。

貴「譲ったわけじゃありません。ただ、ソロコンの準備があるから全国大会までついて行くことが出来ませんって言ったんです。」

その証拠に、クリスマスコンサートのトップは私のままである。

荒牧「うちは、あんたにならトップ取られてもおかしないと思っとった。あんたが上手いし、頑張っとったから。」

やけどな、応援演奏のこと、たかが応援やからとか思っとったらただじゃおかんからな。

そう言われて私は黙りこくってしまった。
確かに私は倫太郎から逃げたいと思って理由を探していた時、まあ応援だし、この理由でもいいかな。くらいに思っていたことは事実だったからだ。

あとから聞いた話、荒牧先輩は稲荷崎高校でスポーツ部の応援演奏がしたくてこの高校に来て、それこそ死にものぐるいでトップをとったらしい。彼女も2年生の時に、当時の3年生のトップから実力で奪ったのだと言っていた。

ソロコンクールを全国2位で終え、バレー部は春高で全国3位の成績を収めた。そして、クリスマスコンサートと春高で先輩たち3年は両部とも引退した。

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水野 - 更新待ってて良かったです!超面白いです! (2020年7月20日 21時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
さくやん(プロフ) - ?さん» 申し訳ありません!修正しました! (2020年7月9日 21時) (レス) id: 417db36de3 (このIDを非表示/違反報告)
至ってノーマル - 素敵すぎます!!!!!めっちゃ好きです!!かっこかわいい推しをありがとうございます!!!!応援しております! (2020年7月9日 18時) (レス) id: 5e35942dd3 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 途中から名前が万智になってます(泣) (2020年7月9日 17時) (レス) id: f4c6db3892 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - はじめまして!とても面白いです!更新楽しみにしてます!! (2020年3月28日 21時) (レス) id: 6ad8403b99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくやん | 作成日時:2019年9月13日 23時

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