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弱虫1匹 ページ3

出会いは3歳のとき。
もともとはお母さん同士の仲が良く、家族ぐるみで仲良くしていたのがきっかけだった。
双方の母親は割とおしゃべり好きな方で、
たまーに集まっては半日以上も近状報告会を
開いていた。

お母さん同士がおしゃべりに花を咲かせている間、私はいつも倫太郎の遊びを見ていたり、
一緒に絵本を呼んだりしていた。

仲がいいと言うよりは、「仕方なく一緒にいる同士」みたいだと子供ながらに思っていた。

5歳の時、倫太郎がバレーボールを始めた。
小学校に上がる前だというのに夕方の5時くらいまである練習のせいで、私はひとりでいなくてはいけない時間が出来てしまい、毎日毎日
暇で暇で仕方なかったし、別の部屋でお母さんたちが喋っているのが聞こえなくなると、置いて帰ったりしていないかがすごく心配になって
泣きそうになったりしていた。

そんなある日、お母さんたちが2人でちょっと
夜ご飯の買い物に行ってしまって、それに気づかずに家の中にひとりになっていたことに気づいた私は、プチパニックを起こし一人で泣いていた。


そんな時、バレーボールの練習を終えて帰ってきた倫太郎は、ぐしゃぐしゃに泣く私を見て
心底驚いた顔をした。

角「どうしたの?どこか痛い?怪我?」

今も昔も私にだけは変わらないやさしい声で
泣きじゃくる私をなぐさめ、笑わせようとあれこれと手を尽くしてくれた。

その後、帰ってきたお母さんを見て、どっか行っちゃったかと思ったー!と泣きついた私を見てお母さんがすごく笑っていたのをよく覚えている。その頃から私は弱虫だったのだ。

そして、倫太郎は私の人生を変える一言を言った。

角「Aも、なにか習い事しないの?」

そうしたら一緒くらいの時間に一緒に帰って来れるのに。と倫太郎は言った。

確かに。そうすれば倫太郎がいない時間には、
私も暇もしないし、二人で帰ってくればこの時間帯も怖くなくなる。

そして私は、トランペットを始めたのだった。

それから今までずっと、私にとって倫太郎は
心強い幼なじみであり、倫太郎にとって私は弱虫で泣き虫な幼なじみなのだ。

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水野 - 更新待ってて良かったです!超面白いです! (2020年7月20日 21時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
さくやん(プロフ) - ?さん» 申し訳ありません!修正しました! (2020年7月9日 21時) (レス) id: 417db36de3 (このIDを非表示/違反報告)
至ってノーマル - 素敵すぎます!!!!!めっちゃ好きです!!かっこかわいい推しをありがとうございます!!!!応援しております! (2020年7月9日 18時) (レス) id: 5e35942dd3 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 途中から名前が万智になってます(泣) (2020年7月9日 17時) (レス) id: f4c6db3892 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - はじめまして!とても面白いです!更新楽しみにしてます!! (2020年3月28日 21時) (レス) id: 6ad8403b99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくやん | 作成日時:2019年9月13日 23時

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