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弱虫14匹 ページ16

たまたま。そうたまたま。

体育館裏の誰も来ない日陰で昼練としてトランペットを吹いていた時。

侑「え。お前部活やっとったんかいな。」

バレーボールが転がってきたあたりからすごく嫌な予感はしていた。だがしかし、私の練習する体育館裏は、バレー部の使う体育館とは別物だった。まさか来るはずはないと思っていたのに、宮侑はここに現れてしまった。

侑「お前、やっぱし」


貴「このことは倫太郎には秘密にして欲しい。」

言うが早い方が勝ちと少し強い声で言うと、宮侑はは?と言いたげに眉間に皺を寄せた。

怖い。倫太郎以外の男子にこんなふうに食ってかかったことなど生まれて1度もない。ましてや相手はカーストトップの宮侑だ。恐怖心で手汗が出てきて、持っているトランペットを落とすかと思った。

侑「…幼馴染やないんか。角名はそう言っとったけど。」

貴「幼馴染だよ。私が勝手についてきただけで、倫太郎はそれを知らないだけ。だから何も言わないで秘密にして欲しい。」

言える時がきたら、自分で言う。そう心に決めていたから、今宮侑に言われたくなかった。

侑「…角名には黙っとく。でもはよ打ち明けえや。なんで黙っとんねん。」

貴「気持ち悪いでしょ。ここまでするようなやつなんて。」

いくらずっと一緒にいたからと言って、離れられないわけではなかったはずだ。なのにあとときの私は、絶対に離れられないとばかりに進路を変更して、受験勉強をして、倫太郎について兵庫に行くことしか考えていなかった。

貴「倫太郎に、嫌われたくない。気持ち悪いとか思われたくない。なんなら卒業まで黙っててもいいくらいだよ。」

侑「お前弱虫やなあ。嫌われるのは怖いくせに、こんな遠いとこまで東京から来るのは平気やったんか。」

貴「…倫太郎のために、そこまで出来た自分が気持ち悪いの。とにかく黙ってて欲しい。」

侑「お前が早いうちに打ち明けるって約束できるんならええで。」

それまでは隠しといてやる。

貴「…分かった。」

宮侑はボールをとってその場から立ち去った。
分かったとは言っても、私は倫太郎に打ち明ける勇気が出ずに結局1ヶ月、2ヶ月宮侑に協力してもらいながら逃亡を続けて、宮侑に叱られた。

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水野 - 更新待ってて良かったです!超面白いです! (2020年7月20日 21時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
さくやん(プロフ) - ?さん» 申し訳ありません!修正しました! (2020年7月9日 21時) (レス) id: 417db36de3 (このIDを非表示/違反報告)
至ってノーマル - 素敵すぎます!!!!!めっちゃ好きです!!かっこかわいい推しをありがとうございます!!!!応援しております! (2020年7月9日 18時) (レス) id: 5e35942dd3 (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - 途中から名前が万智になってます(泣) (2020年7月9日 17時) (レス) id: f4c6db3892 (このIDを非表示/違反報告)
Rui(プロフ) - はじめまして!とても面白いです!更新楽しみにしてます!! (2020年3月28日 21時) (レス) id: 6ad8403b99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくやん | 作成日時:2019年9月13日 23時

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