21.放課後と猫 ページ21
放課後、友人達の質問を避けつつ屋上に急ぐ。
何の用か知らないけど、家で真人が待つ僕は早く帰りたかった。
A『それで、話って何?』
愛園「約束通り来てくれたのね」
屋上では先に愛園さんが待っており、フェンスから下のグラウンドを眺めていた。
僕が声をかけるとこちらへゆらりと振り返る。
愛園「単刀直入に言うわ、貴方の猫……アイツは今すぐ祓った方がいい」
A『……ッ!』
猫とは真人のことだろう、愛園さんには呪霊が見えていたんだ。
正体を見破られた僕は思わず愛園さんを睨む。
呪霊を匿っているなんて呪術師に知られたら__
愛園「……呪いが見える貴方なら分かるでしょう?呪霊がどれほど危険なのか」
言い返すことも出来ず、僕はうつむく。
そんな僕に愛園さんはゆっくり近づいてきた。
愛園「私、呪術師にツテがあるの。祓う決心がついたら……ここに連絡して」
そして、どこかの電話番号が書かれた紙を僕の手に握らせる。
愛園「あと、祓うのはなるべく早い方がいいわ。
貴方についてる呪霊……日に日に強くなっていってるから」
『それじゃ』とだけ言って愛園さんは屋上を去っていった。
僕はしばらくの間、手渡された紙を眺めていることしか出来なかった。
__________
ふらふらした足取りで僕も屋上を出る。
待ち構えていた友人達が『どうだった?』とか聞いてくるけど。
『今は1人にしてほしい』とだけ伝えて、僕は帰路についた。
A『(……僕が、今ここで真人を祓ってしまえば……渋谷事変を防げる?
この先、真人の手によって死ぬはずの命を____救える?)』
帰り道も色々なことが頭の中を駆け巡る。
真人「えっ、顔が真っ青だよ!?大丈夫……?」
家で真人が出迎えてくれるけど。
『体調が悪いから』と言って部屋に閉じこもった。
その日は1日中、真人の顔をみることなんて出来なくて毛布にくるまっていた。
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休日を挟んで月曜の朝____
僕が教室に入ると、それまで騒がしかった教室内がシンと静まり返った。
そして、慌てて駆け寄ってきた友人の口から。
『愛園さんが行方不明』ということを告げられた。
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シュリィ(プロフ) - 砂さん» コメントありがとうございます!続編もよろしくお願いします(៸៸᳐>⩊<៸៸᳐)♪ (11月7日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
砂 - あ、好きだこの作品…書いてくださってありがとうございますぅぅぅ、、、 (11月4日 7時) (レス) @page23 id: f5943d0623 (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 名前変えたのでコメントを投稿し直しました、通知行ってたらすみません……! (2023年2月7日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - ハンカチモンスターさん» コメントありがとうございます。こちらこそ続編の方もよろしくお願いしますね!推してもらえて感謝です♡(˶> ̫ <^˵)੭ (2023年2月7日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
シュリィ(プロフ) - 火鉢さん» 応援コメントありがとうございます。大好きだなんて嬉しいです!これからもこの小説をよろしくお願いしますね!(ˆ ̳ᴗ ̫ ᴗ ̳ˆ)♡ (2023年2月7日 22時) (レス) id: 48493c160b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリィ | 作成日時:2022年10月5日 22時