第十訓 ページ11
どら焼きを持って戻ると総悟が旦那の鼻に飲み物を打ち込んでいた。
案の定何かギャーギャー言われてる。
「次回から「真選組血風帳」スタート!みんな絶対見てくれよな」
「あ コレ僕ら殺されますね」
「ふざけんなヨ!こんなむさ苦しい連中だけでできると思うな!私のように可愛いヒロインがいないのなんて一瞬で打ち切りネ!」
「ヒロインなら…」
『さっきから何ギャーギャー騒いでるの?よくそんな格好で元気に大声出せますね』
「此奴がいるんで問題ねぇ」
『え?何が?』
旦那にどら焼きを食べさせるべく近づくと急に総悟に指差された。話の内容なんて聞いてもいないのに勝手に話に入れられても意味わからない。
「誰アルカ?そういやさっきもいたネ」
『初めまして。真選組で女中頭してます。Aです。この前万事屋に依頼した時あなたいなかったもんね』
「煮物女‼」
『どういう認識の仕方?』
「大量の煮物を私に処理するよう依頼しただろ」
「お前そんな事してたのかィ」
『お登勢さんとこでした宴会の残り』
このチャイナ娘の私への認識が酷いもので一瞬ブン殴ろうかと思ったけどまぁ確かに依頼が依頼だったから今回は見逃してあげよう。
『そうそう。その時に旦那に迷惑かけたからお詫びにどら焼き買ったんです。食べてください』
「え、まじ?いだだだだだだ‼鼻で食えるか⁉」
『さっき鼻で飲み物飲んでたじゃないですか。大丈夫、旦那にならできますてことであーん』
「あーんもクソも鼻の穴はいつだってあーん状態なの‼いつも開いてるの‼詰まる‼餡子が鼻に詰まるゥゥゥ‼」
『やったじゃないですか。旦那甘いの好きなんでしょう?これでいつでも餡子の匂いで心がいっぱいですよ』
「詰まりすぎで匂いもなんもねーわ‼」
旦那って面白いなぁ。そりゃぁ全員の手紙に出てくるわ。名前はあった時に初めて知ったけど。
「銀さんこの人こんな感じでしたっけ?」
「女はな全員猫被って生きてんだよ」
『それ私が言ったやつですよー』
「どうでもいいけどさっさと降ろしてヨ。本当に頭爆発するぞコラ」
『あーあ。…総悟。可哀想だからおろしてあげなよ』
「何でぃ急に…」
「あ、Aちゃーん!後で洗濯物取り込んででくれるー?」
『はーい!』
「切り替えの早い奴ですねぃ…」
『もっと褒めていいよ?』
危なかった…島田さんじゃなかったら気づかなかったかも…島田さんがぶt…デブでよかった。
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作成日時:2020年8月25日 16時