ウソップ ページ9
「にゃあ」
「はいはい」
チョッパーから逃れてきたAはウソップの元に訪れた。カチャカチャと音を立てて何やら作業をする背中に爪を立ててよじ登ろうとしてみるも、全く相手にされない。あのゾロですら口元を少し緩めて返事をする媚びた鳴き声をあげても効果はない。
ウソップはAの呼び掛けに応じないことが多々ある。なにか作業をしているときは生返事をしてやり過ごそうとするのだ。可愛い可愛いと言われ甘やかされて育ったAは最初は気に食わなかったものの、そんなウソップの興味を引こうと奮闘するのがなんだかんだ好きだった。
「んなぁ」
「いてえ、よ……こ、ら……」
それにこうやって、作業をする手を一度甘噛みしてからそこを舐めるとウソップは手を止めるのだ。とどめとばかりに掌に頭を押し付けるようにして撫でろと催促すると、これでもかと頬を緩めて全身を撫でくりまわすのである。猫の可愛さを前にして適うものはいない、と思いながらAは構って貰えたことに満足してご機嫌に喉を鳴らす。
「くそォ、お前、可愛いなこのやろ!」
「んにゃ」
文句を言っているような褒めているような態度でウソップはAの顔を両手で掴む。こねるようにむにむにと頬をまわすとAはぐるぐるとさらに喉を鳴らした。
ついさっきまで素っ気ない態度をとっていた人間が自分に興味を向けているのが心地良いのだ。しばらくすると飽きたというように身体をよじらせて手から抜け出してしまうのだが。
「おま、自分から来といてその態度かよ」
「なぁーん」
こうしてAは猫として、気ままにこの船で過ごしているのだ。
947人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
p(プロフ) - あさん» 書いてくださりありがとうございます!!!!私の支離滅裂な展開をこんな可愛らしいお話に仕上げてくださって本当に嬉しいです〜〜!お忙しい中ありがとうございます! (2022年10月26日 15時) (レス) id: 223237ad78 (このIDを非表示/違反報告)
不死川(プロフ) - あさん» さいっこうですうううあ!!!!ほんとにさすがですとしか言えないくらい最高です!!ローの愛を表に出さないけど可愛がってるのが伝わってきて大満足です!ありがとうございます!😍✨ (2022年10月24日 22時) (レス) id: 53c93e683f (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 不死川さん» ありがとうございます!こんな感じになりました〜〜どうでしょうか! (2022年10月24日 21時) (レス) id: c0da8dc606 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - すごくアバウトなリクエストだったのに素敵なお話ありがとうございます😭癒されました!!! (2022年10月24日 1時) (レス) @page45 id: 65159ab740 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - ののさん» ありがとうございます〜!こんな感じになりました、どうでしょうか……! (2022年10月23日 18時) (レス) @page45 id: db5a2b7bb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あ | 作成日時:2022年9月7日 8時