番外編 No.3 ページ8
「まだ話は終わってないんだけど？」
「ふひぃ……」
なんて意識を飛ばした私が馬鹿でした。首に突きつけられたトンファーにより力が篭ってきます。
勿論意識を飛ばしたことに雲雀先輩が怒ったからですね。ごめんなさい。
情けない声が出ますが、命には変えられないので、必死に命乞いをします。
「ええと、これは、あくまで差し入れであって、ですね、忙しい風紀委員の方々に対する応援を形にしたと言いますか、ええと…とにかくバレンタインなどという浮き足立ったイベントのものではなくてですね、差し入れでして、馴れ合いではなくてですね、ですから、その、」
「ふうん」
…………あああ冷やかな目線が痛いのです！！ごめんなさいですからトンファー下ろしてください！！
と思ったら、なんとあっさりトンファーが退かれました。
良かった命だけは助かったのです。理解して頂けたようで何よりです……が、壁についた手が退かれないのは何故でしょうか。
「風紀委員に対する差入れ、ねえ」
とん、と雲雀先輩のしなやかな指が壁を叩きます。嗚呼、その姿のなんと美しいことか。
少し目を伏せたせいで、人形(ドール)のように長い睫毛がふるりと揺れます。形の良い唇から紡がれる音が、やけにはっきりと聞こえました。心無しか、少し艷めいていて、耳にずっと残るような声でした。
「じゃあ勿論…＿僕のも有るんだよね？」
さらりと揺れる濡れ羽衣いろの美しい髪から覗く、常闇色の瞳と、不意に目が合ってしまって、私は、
「ああああああありますありますごめんなさい！？！？！？」
＿＿逃げ出しました。
嫌だってさっきまで殺気放っていた先輩がこんな感じになるなんて怖いじゃないですか！あ、今のはさっきと殺気を掛けてたり、なんちゃって。なんて変なボケかますくらいには怖いんですよ！！
ですからさっさとお菓子を押し付けて退散するに限るのです。
……逃げる時、後ろから聞こえた微かな笑い声も、さっきからじわじわ熱い頬も、両方とも、気の所為なのですよ。
ーーーーーーーーーー
大遅刻バレンタイン番外でした！次回から本編に戻ります。
ご存知かとは思われますが作者は糖分高めの雲雀先輩も好きです。
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ミドリ(プロフ) - ミックスさん» コメントありがとうございます！不定期更新ですが見ていただけて嬉しいです！今後も夢主ちゃんの行動を見守っていただければ嬉しいです(＊´ｖ｀) (2019年6月22日 23時) (
レス) id: d5bbc44389 (このIDを非表示/違反報告)
ミックス - わーい！更新されてるぅ！そして安定の夢主ちゃんの可愛さ！！最高だぜぇ！ (2019年6月20日 20時) (レス) id: 5256b9caf1 (このIDを非表示/違反報告)
ミドリ(プロフ) - 楪実さん» コメントありがとうございます！待っていてくださって本当に嬉しいです……！応援ありがとうございます、励みになります。これからもがんばります(*^^*) (2019年6月11日 10時) (レス) id: d5bbc44389 (このIDを非表示/違反報告)
楪実(プロフ) - 新しいお話読めて嬉しいです！待ってました！！面白い…先の展開も楽しみです。いくらでも待てますんで作者さんのペースで頑張ってください。応援してます！o(^-^)o (2019年6月10日 23時) (レス) id: a1f8b54667 (このIDを非表示/違反報告)
ミドリ(プロフ) - ミックスさん» コメントありがとうございます！更新停滞してごめんなさい……！がんばります(*^^*) (2019年6月9日 21時) (レス) id: d5bbc44389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミドリ | 作成日時：2019年2月12日 17時
