No.69 ページ35
「棄権！！！！
…………するわっ……！！！」
震えた叫びを聞いて、ようやく肩の力を抜きました。
ようやく言ってくれましたね、守破さん。おおよそ計画通りです。
やはり、というか、こちら現実でも幻術が使えたようです。実戦は初めてでしたが、上手くいって何より。
今回、肝になるのは彼女の一番信頼している人物の特徴です。
彼女は元々精神が不安定気味に見えたので、そこを突いて不安を煽りました。
姿かたちは見えずとも、手の形さえ分かればそれで結構。
あとは途中から霧で部屋を満たし、声が響くようにし(声の出処を狂わすためです)、幻覚の自分と入れ替わり自分は手の役に徹しました。
流石に手だけを有幻覚にするのは難しいし、手間も掛かるので、幻覚の中に混じってみました。
あとは言葉の揺さぶりですね。言うまでもないですが。
時間切れって脅し、万人に刺さりますしね。
というわけで私の試合は終わりですね。
「そうですか。では私も棄権します。」
ようやく守破さんの首から手を離し、幻覚を切ります。
え？何故棄権したかって？
私元々、この試合に勝つつもりはありませんでしたから。
私、ずっと言っていましたけど、「原作の流れを壊したくない」んです。
ですから、この試合に負けることも、勝つことも、私の目的に反します。
私の目的に一番適合するのはそう、「引き分け」のエンドです。
何回も言いますけど、原作に介入はできる限りしたくないんです。守破さんがいなければ、沢田くんに接触することはありませんでしたし。
観客席が何かを言っていそうですが、無視しましょう。疲れたので帰りたいです。
……というかチェルベッロのお姉さん、早く動いてください。これだけ動かないと……嫌な予感がしますよね……。
「両者棄権の引き分けです。扉を開けてください」
『それはなりません』
無機質な放送がかかりました。
……予感的中ですね！分かります！！
げんなりした私に構わず、放送の声は続きます。
『棄権は受理します。ですが、此方も教室内に仕掛けられているコンピュータ操作は不可能なため、自力で脱出してください』
管理側がそれってどうなんですかね本当に。管理ずさん過ぎますよ。
とはいえ文句を言う対象は既に放送を切ってしまったようなので、従うしかありません。
ホンッッットに勘弁して欲しいのですけれど。
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ミドリ(プロフ) - ミックスさん» コメントありがとうございます！不定期更新ですが見ていただけて嬉しいです！今後も夢主ちゃんの行動を見守っていただければ嬉しいです(＊´ｖ｀) (2019年6月22日 23時) (
レス) id: d5bbc44389 (このIDを非表示/違反報告)
ミックス - わーい！更新されてるぅ！そして安定の夢主ちゃんの可愛さ！！最高だぜぇ！ (2019年6月20日 20時) (レス) id: 5256b9caf1 (このIDを非表示/違反報告)
ミドリ(プロフ) - 楪実さん» コメントありがとうございます！待っていてくださって本当に嬉しいです……！応援ありがとうございます、励みになります。これからもがんばります(*^^*) (2019年6月11日 10時) (レス) id: d5bbc44389 (このIDを非表示/違反報告)
楪実(プロフ) - 新しいお話読めて嬉しいです！待ってました！！面白い…先の展開も楽しみです。いくらでも待てますんで作者さんのペースで頑張ってください。応援してます！o(^-^)o (2019年6月10日 23時) (レス) id: a1f8b54667 (このIDを非表示/違反報告)
ミドリ(プロフ) - ミックスさん» コメントありがとうございます！更新停滞してごめんなさい……！がんばります(*^^*) (2019年6月9日 21時) (レス) id: d5bbc44389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミドリ | 作成日時：2019年2月12日 17時
