Episode2 -2 ページ8
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私の勤める会社の事務所が入っているのはとあるビルの中で、一階には売店とおしゃれなカフェがある。
「キウイカフェ」という名のそのカフェがもっぱら私たちのランチの定番だった。
外に出なくて済むし、美味しいし、なによりKIWIのオーナーさんが手掛けたカフェらしいというのが私たちがここを気に入っている最大の理由だったりする。
ナチュラルテイストで統一された店内はKIWIのシックでエレガントな大人っぽい雰囲気とはまた違って明るくて穏やかで休憩にはもってこい。
足を踏み入れた私たちに気が付いてカウンターの向こうから日に焼けた顔がひょいと覗いた。
「お、今日は三島ちゃんはいないの？」
「大野さん、こんにちは。そうなんです、多江ちゃんは外に出てるので食べてから戻るって」
「そっかそっか」
人のいい笑顔で話しかけてきたのはこのキウイカフェの店長である大野智さん。
趣味が釣りなんだそうで、いつも肌が焼けている。
ちなみに多江ちゃんのフルネームは三島多江だ。
「じゃあ潤くん、俺季節の色どりカレードリアで。瀬那は？」
「あ、えっと……カルボナーラのセットカフェオレで」
「聞いたな。じゃあ潤くん、注文よろしく」
「え！ちょっと二宮先輩！」
ポンと松本くんの背中を叩いて二宮くんは空いてる席へと歩いていく。
ちょっと心細そうな松本くんに少しだけ悪い気がしないでもないけど二宮くんの気持ちがよくわかるので私もそっと松本くんの横を通り抜けた。
「あっ、瀬那先輩まで！おいてかないでくださいよ」
「ごめんね松本くん。よろしく！」
パチンと手を合わせてから逃げるように二宮くんを追いかける。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年1月24日 21時
