ねがいごとキャンディ《ars/s.s/0125》 (ページ44)

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Episode7 -4 ページ44

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「…！」

その言葉にハッとなって相葉さんを見る。

当の相葉さんは急に顔を上げた私に驚いたように首を傾げた。

でも、その言葉は。

キャンディをくれたおばあさんの言葉がよみがえる。

いやいやまて。

でも、同じことを言う人は世界中探せばたくさんいるかもしれないし…。

そうだよ、そういえばおばあさんは前回来た坊やが日本人だとは言ってなかったじゃない。

軽くパニックになる頭の中でどうしようどうしようと混乱した末に、この店に入った時の当たって砕けろの精神を思い出した。

もともと櫻井くんになんて言うか思い付かなかったら当たって砕けるつもりだったのだから、今回も同じでいいじゃない。

後から考えてみれば、きっと私は酔っていた。

疲れ果ててたから、いつもより酔いが回ってたんだと思う。

「あの、私これからちょっとおかしなこと言うんで、わけわかんなかったらバカなの？って言ってください」

「？……はい、わかりました…？」

ぽかんとしてる相葉さんに、私は小さく深呼吸をしてから口を開く。

「相葉さん………ねがいごとキャンディって知ってます？」

「…………」

私の言葉の真意を量るように私の目を見つめていた相葉さんは、やがてニコリと笑って言った。

「はい、知ってますよ」

それは今年一番の衝撃だった。

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