Episode3 -4 ページ17
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「今いくつだっけ？」
「二十四だよ。悟くんは？」
「二十六」
「あ、二つお兄さんだっけ」
「そうだよ。可愛い妹が大きくなっちゃってまぁ」
「あはは、悟くん親戚のおじさんみたい」
「この年になったら似たようなもんだろ」
「えー、そうかなぁ」
よかった、悟くんに会えて。
親戚と言っても知らない人ばかりで心細かったから思わず会話が弾む。
なにより悟くんには相手を安心させる謎の包容力がある。
そういえば祖父のお葬式にときにも悟くんに慰めてもらったことがあったような。
知り合いに会えたおかげで緊張していた法事もつつがなく終わり、そのまま食事会へと場が移る。
悟くんが気を利かせて私を隣に座らせてくれたおかげで、知らない人に囲まれて「大きくなったわねぇ」とか言われ続ける困難にはさらされずに済んだ。
お酒を少し飲みながら悟くんと昔話に花が咲く。
「やっぱり悟くんはいいパパになりそう。実は面倒見いいよね」
「そうかぁ？」
「うん、そう。ほら、おじいちゃんが亡くなった後、悟くんが慰めてくれたことがあったじゃない？」
不意に昔のことを思い出して私はその話題を口にした。
「え……？」
「え？」
けれど、悟くんから返ってきたのは思いがけない言葉だった。
「そんなことあったか？」
「え、あったよ。ほら、お葬式の後いつまでも泣いてる私のところに来て大丈夫だよって」
「んー……」
「覚えてないの？」
驚いた。
悟くんは(二つ年上だからそりゃそうかもしれないけど)私よりよっぽど昔のことを覚えていたから当然覚えてるもんだと思ってたのに。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年1月24日 21時
