Episode14 -4 ページ4
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ガラス窓の外からまだ日の高い太陽の光が差し込んでいる。
その日差しを横顔で受けたまま大野さんは眉をひそめた。
「翔って、どうしてそんなこと聞くんだ」
わずかに空気が緊張するのを肌で感じた。
大野さんはさっきまでののんびりした声とは違ってどこか鋭い声色で私たちの顔を窺う。
真意を測るみたいに、大野さんの目が私の目を見つめた。
「昨日翔ちゃんが俺んち出てっちゃったんだ。それで、探してる」
言葉を繋ぐように相葉さんが続ける。
相葉さんに目を移した大野さんはさらに眉間の皺を深くした。
「それでなんで俺に聞きに来るんだ？翔くんだってもう大人だろ、心配するようなことじゃ、」
「いいからリーダー、翔ちゃんの居場所を知ってるか知らないか教えて！」
「お願いします大野さん」
「店長…？」
奥からふいに別の声が聞こえて私と相葉さんは口を噤む。
振り返る大野さんの視線の先で小柄な女の子がうかがうようにこちらを見ていた。
松本くんが恋をしている彼女だ。
「なんでもないよ。ちょっと私用でな。奥で休んでてくれ」
「……わかりました」
いぶかしそうな顔のまま彼女は奥の扉へと消えていく。
いつもお昼休みになると松本くんに彼女にアタックするようにとみんなで無茶ぶりをしていたけれど、それをなんとなく後悔した。
人は切羽詰まらなければなかなか一歩を踏み出せないことを今頃私は思い知った。
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iCHiKA(プロフ) - 櫻宮さん» コメントありがとうございます。切なさと温かさの両立は目指したところでございますのでそう言っていただけて嬉しいです！最後まで彼らの物語をお読みいただきありがとうございました。 (2020年6月30日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 翔は主人公ちゃんを思って記憶を消そうとした。でもそれを主人公ちゃんが許さなかった。切なくてとても温かいお話でした。凄く感動しました！！ (2020年6月29日 16時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - ともさん» とも様、いつもありがとうございます。切なさと隣り合わせに温もりを失くさないことを目指して書いておりましたのでそう言っていただけて大変光栄です。最後までお読みいただきありがとうございました。 (2020年4月15日 23時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 完結…お疲れ様でした。ファンタジーな世界で切ない中にも心が温まるお話でした。夢中で拝読させて頂きました。 (2020年4月14日 18時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年3月23日 14時
