ねがいごとキャンディ ○2○ 《ars/s.s/0125》 (ページ11)

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Episode9 -3 ページ11

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このマンションには相葉さんの自宅があるらしい。

翔は相葉さんの家に居候しているそうだ。

「お風呂沸かしてあるから、入っておいでよ瀬那さん」

「あ、でも……」

「俺の服貸してやるから入って来い。上着も着ずに走った裸足のシンデレラさん」

「ちょっと翔その呼び方やめてよ」

「シンデレラって？」

「こいつ靴両方手に持ってた。バカだろ」

「脱げちゃったの！」

「あはは、お疲れ様です瀬那さん」

もう靴のことは忘れてほしい。

あの時は本当に必死だった。

「いいから入って来い。体が冷えてるだろ」

「それは翔も相葉さんも一緒じゃ…」

「お前は女だろーが。いいからさっさと入れ」

「翔ちゃんが使ってる入浴剤があるから使ってよ瀬那さん」

「ええと……それじゃあ、失礼します」

男の人が二人もいるときにお風呂に入るのは正直恥ずかしいんだけど、体が冷え切っているのは事実なのでありがたく使わせてもらうことにした。

相葉さんが出してくれたカラフルな入浴剤の中から一つをもって浴室に入ると曇りガラスの向こうから翔の声がした。

「A、ここに服置いたから」

「はーい」

「心配しなくても覗いたりしねーよ」

「……わ、わかってるよ！」

笑いながら翔が出ていく音がする。

熱を持った頬をごまかすようにシャワーの栓をひねった。

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