狂１４ ページ17
貴女side
薄らと目を開くとまだ定まっていない視線の中、懐かしい背中が目に入る。
貴「ん、んん…？」
眠い目を擦りながら起き上がるとその人物が特定される。
貴「…！？お、織田作…っ！？」
慌てて起き上がるも、寝起きの所為か、目の前が霞んだままで、体幹も安定しない。
それでも尚フラフラと立ち上がるとその懐かしい背中は此方を振り向く事無く歩き出してしまう。
貴「ま、待っ...て、よ...！織田作...っ！」
その懐かしい名を呼ぶが矢張り振り向く事は無い。
私はｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ彼を死者と分かって呼んでしまっているのだろうか...。
頭は段々冷静になって来て、それでも私の感情は、心は、織田作を求めて後を追う。
貴「織田、作っ...！」
段々息苦しさが増してきて只でさえ安定していない体が左右に大きく揺れる。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰでも、後もう一寸で...
織田作に届きそうなんだｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ！
死者に触れてｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ私は如何なるの？
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ別に何だって良い！...織田作。
貴「また笑ってよッ！」
前の様に！
ねェ！
織田作！！
子供の頃の様に駄々を捏ねる様に。
がむしゃらに手を伸ばすと。
私が手を伸ばしたのと殆ど同時に織田作が
振り向いた。
然し其の顔は段々と霞がかって見えなくなって
...
完全に振り向いた時には私の意識がﾌﾞﾂﾝと
落ちてしまった。
芥川side
数十分前、僕に或る報告があった。
『太宰さんが...』
捕縛されました！
僕の活躍、努力、...其れ等全てを大して認めもせず、僕の前から消えた彼の人が。
芥「...」
無言のまま拷問室へと向かう。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰその道中。
不思議な者を発見した。
僕の後ろからまるで親鴨の後を追う子鴨の様にフラフラと左右に大きく揺れながら歩いて来るAが居た。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ彼奴は確かに中也さん馬鹿だが、
あの様にフラつき、人の後を追う程危険人物でも無かった筈だ。
如何した、A。
そう、思わず声を掛けると僕に凭れ掛かり、
気を失った。
芥「...はァ...今から僕は太宰さんの元へと向かわなければならないのだ...起きろ、A」
貴「ん、んん...」
その後、結局目を覚ます事はなく、医療班の元へと連れて行く羽目になった。
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花コム( ﾟДﾟ) - 柏村葬さん:へぇ！そ、そうだったんですね…漫画持ってないので知りませんでした…申し訳無いです… (2019年3月5日 8時) (
レス) id: bbf7a999fb (このIDを非表示/違反報告)
柏村葬(プロフ) - 狂16ですが、漫画が原作なので漫画を先にした方が良いと思います。漫画とアニメでは全然違いますから。 (2019年2月25日 0時) (レス) id: 67a0056d03 (このIDを非表示/違反報告)
桜匁 - 作品、拝見しましたー！ 文章にから場面の様子がしっかりと分かり、素敵な小説だと思います！ ヤンデレ中也さん…ですか… なんかいいですね！！← これからもお体に気をつけて更新頑張ってくださいね。応援しています！(*≧∀≦*) (2018年12月8日 20時) (レス) id: 58c26fa576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花コム( ﾟДﾟ) | 作成日時：2018年9月10日 12時
