ちびれんくん8

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紫耀side

それから何とか薬入りのゼリーを口に入れる事に成功して

そのままごっくんしてくれた廉。


「よしよし、偉かったね〜」

海「よく頑張ったね。凄いなぁ廉は」


海人と2人、沢山廉の事を褒めてあげると

凄く嬉しそうに笑った。


…良かった。無事にお薬が飲めて。


廉「けほけほっ…んっ…」

「喉痛いね〜」


薬を飲んですぐに効果が出るわけじゃないから

咳も喉の痛みもまだあって辛そう。


海「マシュマロがのどの痛みに良いって聞いたことがあるんだけど…」

「廉の場合、今糖質制限かかってるからね…」


そう。

実は、先週心臓の定期健診に行った際に

2週間、糖質制限をしてほしいと

黒崎先生から言われたんだ。


決して廉の病気が悪化してるわけじゃないんだけど

新しく処方された薬の関係上、糖分の摂取を

制限する必要があるみたいで…


だから、お菓子、ジュースは一切禁止。

さっき飲ませたゼリーも甘くないもの。


海「うん…どうしたらいいのかな…」


だから、海人が言ってくれた「マシュマロ作戦」は決行できないの。


廉「げほっげほっ…っ…げほっ…涙」


辛そうに顔を歪めながら

咳き込む廉の背中を優しく摩るしか手が無かった。




＊








＊





それから夕方近く

漸く薬の効果が現れたようで

喉の痛みも咳も随分落ち着いてきて

熱も38℃前半まで下がった。


海「良かったぁ〜」

「うん。ほんと良かった。ね、廉。良かったね」

廉「………」

「れん？どうした？」

廉「ぁ…ううん、なんでもない」


ん？

どうしたんだろう、


熱が下がって、しんどさが減った途端

廉に違和感を覚えた。


廉「っ…涙」

「ん？どうしたー？どっか痛い？」


その問いかけに、何の返事がないまま

廉は"なにか"に耐えるようにグッと手に力を入れて耐えてる。


廉「おみみ…」

海「耳？耳がどうした？痒い？」


海人の言葉に、小さくフルフルと首を振る。

痒くないって事は、もしかしてっ…！


「廉、おみみ痛い？」

廉(コクン)


その言葉に、目に沢山の涙を溜めながら頷いた。


海「辛いね。ちょーっとゴロンしてお耳の中見せて？」

廉「ん、しゃわったら、いちゃいから…めぇよ？」

「うん。触らないよ。お約束」


廉と指切りをしてから

ゴロンと膝の上に寝かせて

スマホのライトを付けて廉の耳を確認する。


海「切れてる感じはないけど…」

「となると、見えないくらい奥が傷ついたかなー？」


素人目では何もわからない。

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