ちびれんくん

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岸side

廉「んふふ、ガタンガタン！」

「ふわぁ…」


お昼も食べ終わって、いつもこの時間帯は

昼寝をしてるちびれんくん。

だけど、初めての電車という事で

テンションが上がって、興奮してるのか

まったく眠くなさそうで…。


俺の膝の上に座って

備えつけのテーブルを出して


家から持ってきたお気に入りの

電車のおもちゃを手に持って


テーブルの上を行ったり来たりして

遊んでいて…対して俺は、お腹がいっぱいになったのと

電車の心地い揺れが眠気を誘っていて…


でも、今日は俺1人。

俺が寝てしまったら、廉を見てくれる人が

居なくなって、何かあったら危ないから

頑張って睡魔と戦ってます！




＊



とか思ってたんだけど

ちびれんって子供体温って言うのかな？


抱っこしてると、ホントカイロのように

温かくて、眠さ増すんだよね笑


それから気づけば俺は廉を膝の上に

乗せたまま眠ってしまったみたいだった



＊


＿＿うわぁぁぁん！いだぁぁい！


「え？なになに？って廉！！」


眠ってたら、小さい子の悲鳴に近い

泣き声が聞こえてきて…。


しかもかなり近い距離で。

びっくりして飛び起きると泣いてたのは

うちの廉で…廉に視線を移すとびっくり！


どういう経緯かは不明だけど

俺らの座ってた窓が開いて、その窓に

手が挟まってしまったみたい。


「え、ちょ、どうしよ…。廉、大丈夫だからな」

廉「うわぁぁんっ…ヒック…たいたい…。ゆうちゃ、いたいたい」

「うん、痛いな」


どうしよう。

頭はパニックになってて…。


これそのまま引き抜いたら

絶対ダメだ。かといって放置も良くない。


どうすればっ…！

と俺が1人焦ってると…。


女性「大丈夫だからね、痛いね」

「え？あ、さっきの」


車内販売のお姉さんが

気づいて対応に来てくださった。


女性「誤作動で、窓が開いて窓が閉まって、2歳くらいの男の子が両手挟まれてます。至急作業員の手配をお願いします」


とどこかに連絡していて…

その間、廉を安心させるために頭を撫でてくれている。


作業員「お待たせしました。すぐに助けますね」


そう言って、5分もすれば窓が開いて

廉の手が何とか抜けた…


けど、廉の手は青黒くなっていて…

かなり腫れていて痛そう。いや、痛いよな。


廉「ふぇぇ…ゆーちゃ」

「うん、ごめんな」


手が解放された瞬間

泣きながら俺の胸に顔を埋めてわんわん泣きはじめて

その背中を摩ることしか出来なかった。

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