Another Story 1.4 ページ38
曲がり角を使って上手く路地裏に逃げ込む。
Aの手を引いて、積み上げられた粗大ゴミの裏に隠れるようにその場にしゃがんだ。
「…大丈夫？」
息を整えるAに、小さい声でそう聞くと、Aは縦に首を振った。
「ごめん、無理矢理こんなことして。」
「…ううん。」
「けど、どうしてもAと2人でちゃんと話したかった。」
掴んでいたAの手首を離すと、俺はAに目を合わせる。
「…俺のこと、迷惑だなんて思ってない…？」
「っ、当たり前だよ…！」
「これからも、Aのこと頼っていい…？」
「うん、勿論…！」
Aの言葉に、さっきまでの不安がなくなって、モヤモヤが晴れる。
俺はAの手を引いて、ギュッとその身体を抱き締めた。
「…
ドンヒョク…？」
「…っ、イジェノなんか辞めて俺にしろよ…。」
「えっ…？」
無意識に、そんな言葉が出てきた。
俺からはAの表情が伺えないけど、そのままの体勢で話を続ける。
「…俺なら、お前が友達と話そうが過度な束縛はしない。
それに、お前の過去も、今も苦しんでる傷痕も、全部理解してる。」
「…。」
「…Aだって、本当は少しおかしいと思ってんだろ？イジェノのこと。
人前で平気でスキンシップしてくることも、本当は嫌なんだろ？」
俺がそう聞くと、Aは黙り込む。
…きっと、図星なんだろう。
だけど、Aは優しいから、きっとイジェノに強く言えなかったんだと思う。
「…A、
好きだ。」
「っ…！」
「Aが俺を救ってくれたあの瞬間から、ずっと好きだ。」
体を離してAを見ると、目を見開いて驚いていた。
…こんな、周りがゴミばっかのところだけど、言うなら今しかない気がした。
「…嫌なら俺のこと突き飛ばして。」
Aの後頭部に手を添えると、俺は顔を近づける。
Aの顔が近付く程、今までにないぐらい心臓がバクバクする。
「…っ！」
絶対に拒否されると思っていた。
…だけど、Aは俺を拒否することなく、キスを受け入れた。
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ナギ(プロフ) - とても面白かったです！でも恐いです笑ロンジュンが一番気の毒ですね……新しい作品もお待ちしております。 (2023年3月29日 16時) (
レス) @page50 id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
XLR7CMroSzOYUFU(プロフ) - 最高でしたありがとうございました (2022年8月3日 16時) (レス) @page50 id: 58b6c00705 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に面白い作品に出会えて嬉しい限りです！ケーキのくだり、めっちゃ鳥肌たちました… (2022年6月24日 17時) (レス) @page50 id: 00b56992b8 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - いや、最後鳥肌…完結おめでとうございます！ (2022年6月24日 14時) (レス) @page50 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやか､最後の最後まで…まさか過ぎました…！！とても素敵なお話でした！ (2022年6月23日 21時) (レス) @page50 id: 7509578280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：世莉 | 作成日時：2022年4月1日 22時
