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俺がイジェノに掴みかかると、奴は一瞬だけ驚いたように見えた。
…だけどすぐに、「何だ、いたんだ。」って真顔で呟いた。
「っ、俺、言ったよな…？
A傷つけたら許さないって…。」
無意識に、あいつの胸ぐらを掴む手に力が籠る。
俺がそう言うと、イジェノはフッと鼻で笑った。
「…
傷つけたのは僕だけじゃないよ。
君たちもじゃん。」
「っ、だけど元はと言えばお前が撒いた種だろっ…！」
…こいつ、自分がAに酷いことをした自覚ないのか…？
自分がやったことだとしても、普通なら少しぐらい、罪悪感はあるはずだ。
「…
そうだね。僕が撒いた種だよ。
だから僕はちゃんとAのケアをしてあげてるんじゃん。」
「…はっ…？」
「…Aのこと、愛してるから、結婚して責任とるつもりだよ。」
…何言ってんだよ、こいつ…。
返ってくる答えが、想像を越えてくる。
結婚とか、今そんな話…おかしいだろ…。
「っていうかさぁ…」
「っ！」
イジェノはそう言うと、力の抜けた俺の手を掴んで振り払う。
乱れた服を整えると、俺の顔をジッと見てきた。
「…Aがいじめられるように仕向けたって知って…お前はどうしたいの？」
「はっ…？
そんなの…」
「学校中に僕の本性をバラす？
Aのお母さんにチクる？
それとも、Aに直接話す？」
奴は俺にそう言うと、ふふっと、声を出して笑う。
その瞬間、ゾクッと寒気がした。
「そんなことしたって無駄だよ。
学校中にバラしたところで、僕はジェミンさえいれば周りなんか気にしない。いくらでも言えばいい。
それに、Aのお母さんはお前の言うことなんか信じないに決まってる。
Aは…お前になんか、そもそも会ってくれないだろうね。」
イジェノはそう言うと、俺から目を逸らして、ロンジュンの方を向いた。
そして、ロンジュンに近づく。
「…いつもAの近くにいて邪魔だったけど、Aを悪者って決めつけていじめるの手伝ってくれて、本当にありがとうね〜。」
「っ…！」
イジェノがそう言うと、ロンジュンの目から涙がこぼれ落ちた。
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ナギ(プロフ) - とても面白かったです！でも恐いです笑ロンジュンが一番気の毒ですね……新しい作品もお待ちしております。 (2023年3月29日 16時) (
レス) @page50 id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
XLR7CMroSzOYUFU(プロフ) - 最高でしたありがとうございました (2022年8月3日 16時) (レス) @page50 id: 58b6c00705 (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当に面白い作品に出会えて嬉しい限りです！ケーキのくだり、めっちゃ鳥肌たちました… (2022年6月24日 17時) (レス) @page50 id: 00b56992b8 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - いや、最後鳥肌…完結おめでとうございます！ (2022年6月24日 14時) (レス) @page50 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - 完結おめでとうございます！いやか､最後の最後まで…まさか過ぎました…！！とても素敵なお話でした！ (2022年6月23日 21時) (レス) @page50 id: 7509578280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：世莉 | 作成日時：2022年4月1日 22時
