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ユウタくんが髪をほどくと、うっとりするような黒い髪がはらはらと彼の肩に降りて
彼に組み敷かれながらそんな様子に見惚れてる私を、ユウタくんはまた不意のふにゃりとした微笑みで抱きしめた。
固い筋肉で包まれた身体。
だけどその命はいつ燃え尽きてもおかしくない。
彼が持つおかしな強さと弱さは、私をいつも変な気持ちにさせる。
説明がつかないけれど、悲しくて、苦しくて、愛おしい。そんな複雑な感情でいっぱいになるんだ。
ただのお客と言ってしまえばそれ以上でも以下でも無いはずなのに、むしろそうあるべきはずなのに、ユウタくんを見つめているとそんな淡白なはずの心は一気に彩られる気がする。
だけどそれって、自分より弱者には手を差し伸べたくなる人間の本能のせいなんじゃないか。
そんな嫌なことばかり考えて、いつも逃げてしまう。
…私の中に、愛情なんて存在しないから。
YT「…ん？どうした、A」
「…え？」
YT「泣きそうな顔してる」
「…そんなこと、ないよ。……ううん、嘘」
YT「え〜？」
服を脱がす手を止め、柔らかく微笑んで私の顔を覗き込んでくる。
前髪をはらって私の頬をつついたユウタくんの無邪気な笑顔に、胸の奥が高鳴る。
恋とも、友情とも、憧れとも違う。
この感情はなんなんだろう。
YT「…心配、してくれてるんでしょ」
「…」
YT「ありがとう。…不安な思いさせてごめんな」
「…ユウタくん、」
YT「…でもまあ、さ。そんな簡単には死なんから。な？」
ユウタくんはそう軽く笑い飛ばすと、本心を誤魔化すように
ごつごつした手で私の太ももに触れた。
私はこの胸に感じる不思議な切なさの正体が気になって、どうしてかもっと彼を全身で感じたくて
その手に指を絡め、キスを求めて、彼の傷だらけの肌に優しく舌を這わせる。
いつ消えてしまうか、分からない。
ある日、大切な人が忽然と消えた経験のある私にとっては、そのユウタくんへの不安要素こそが、愛情によく似た不思議な切なさの理由なんじゃないか。
私の身体を隅々まで愛撫するユウタくんの唇は、そんな私の心もつゆ知らず
私に快感を与えて、一緒に気持ちよくなることだけを考えてる。
…そんなふうに、ヒトの本能を剥き出しにして、心を裸にしてる彼が好きだ。
私といる時だけは、何もかも忘れてほしいの。
私はユウタくんの背中を抱きしめると、
彼の笑顔と同じくらい甘い口づけをした。
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らーみょん - ログインしないでも見れるってありますか？ (2021年9月20日 23時) (
レス) id: bc990f52e8 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - WayV沼子さん» コメントありがとうございます！他の作品も読んで頂いてるんですね…!!かなり毛色の違う作品ですがどちらも応援してくださって大号泣です（ ; ; ）ありがとうございます!! ルーカスはかなり主軸の登場人物となるので、今後もご期待ください(^^)♡ (2021年9月20日 19時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
WayV沼子 - 表現力、設定、どれも素敵な小説だと思っていたら、大好きな作者さんだったなんて…！感激です。これからも応援しています。大好きなルーカス出してくださりありがとうございます(涙) (2021年9月18日 1時) (レス) id: 2887d301bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年9月14日 23時
