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会社のシャワー室で汗を流し、丁度時間は深夜1時。
スマホを見れば「裏口で待ってる」とヤンヤンからメッセージが届いていた。
駆け足で裏口に向かえば、黒いフーディーとバケットハット、グレーのダメージジーンズを履いたヤンヤンの姿を見つけた。
ちらりと見える銀髪が街灯につやつやと輝いていて、黒いマスク、幾つも着いた銀のピアス…全身からクールな雰囲気を感じる。
だけどそんな彼も私の顔をちらりと見れば、
YY「Aヌナ!!」
と、まるで花が咲くように明るく笑い、子羊のようにトコトコ駆けてくるのだ。
そのギャップに不覚にもときめきつつ、私は笑ってヤンヤンに両手を広げる。彼は待ってましたと言わんばかりに、大きな体で思いっきり私に抱きついた。
…可愛いなぁ、ほんとに。(笑)
YY「お疲れ様!…へへ、俺からパクった香水つけてるでしょ?(笑)」
「ヤンヤンこそ、その帽子私のやつ!いつまで持ってるの(笑)」
YY「ヌナだけには言われたくない!まあいいや、遅いし早く帰ろう?」
ほら、とヤンヤンは私に手を差し出す。
少しだけ緊張したような素振りを見せるから、私はまた意地悪をしたくなるんだ。
「…ふふ、どうしたの?(笑)」
YY「なっ……どうしたって…ほら、手!」
「繋ぎたいの?♡」
YY「うるさい!!いいからさっさと繋いで!Aヌナがチビだからどこ居るか見えなくなるんだよ、しょうがなく俺が繋いでやるって言ってんの!!」
「ちょっと待て聞き捨てならない言葉があったぞヤソヤソもう一度行ってごらんヌナは聞き逃してないよヤソヤソ」
YY「ふん!!!!!」
彼は手を引っ込めると、拗ねた顔をしてスタスタ歩いていってしまう。…いっつもこんな風にいじめすぎてしまうの、申し訳ないとは思ってるんだけど…
少しすれば、
なんだか気まずそうにこちらをちらりと見て
悔しそうにその愛らしい口元を歪めて
YY「…あ〜〜〜!!!もう!!!」
無言でこちらへ駆けてくると、
私の手を少しだけ乱暴に取るんだ。
…私は嬉しいのか、彼を可愛いと感じているのか
笑顔が止まらなくて、ヤンヤンは不服そうに文句を言うけれど
私がぎゅっと手を握り返して、指を絡める。
その瞬間、ふと私に振り向いて
YY〈……ふふっ、やっぱAヌナも繋ぎたかったんじゃん(笑)〉
そう得意げに笑う姿に、胸がぽかぽかと暖かくなる。
ヤンヤンは私の手をきつく握ると、私の歩く速度に歩幅を合わせた。
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れいら(プロフ) - SFさん» この展開はジェミンが黙ってないですね、、!!笑 そんなそんな、天才だなんて恐れ多いです汗 ですがこれからも楽しんで頂けるように頑張りますね!暖かい応援ありがとうございます!^^ (2021年8月23日 0時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
SF(プロフ) - 負けるなジェミン、、、と言う謎感情発動してます笑笑笑笑毎回本当に楽しんで読んでおります!そして、繊細な心理描写に毎回脱帽しております、、天才、、、、 (2021年8月22日 2時) (レス) id: 3dff394c60 (このIDを非表示/違反報告)
れいら(プロフ) - SFさん» コメントありがとうございます!…開いてると思います!!() こちらこそ暖かい応援をありがとうございます!^^ (2021年8月16日 9時) (レス) id: c38a85a6a7 (このIDを非表示/違反報告)
SF(プロフ) - ついに、、、来た、、、、パンドラの箱は開くのか、、????という気持ちでワクワク楽しんでおります。いつもお話しありがとうございます! (2021年8月15日 0時) (レス) id: 3dff394c60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいら | 作成日時:2021年8月14日 15時