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私の話を聞いたテンはいつの間にか起き上がっていて、さらさらの素肌と新しく増えたタトゥーが、白い朝日に照らされている。
枕を抱えたまま、私のことを静かに見下ろし、そして彼は微笑んだ。
私ははっと冷静になって、あんな風に語ったことが少し気恥ずかしくて。
そっぽを向きながらテンの胸に抱きつく。
テンはあははと笑って、私の頭を撫でた。
すべすべのテンの胸に頬を当てながら、私は恥ずかしくて、彼の方を向けない。
TN「はぁ、ホント…」
「…全部忘れて、今言ったこと…」
TN「フフッ、そんな情熱持ってたなんて、知らなかったよ？」
「やだ、もう…」
TN「アハハッ！ねえねえ、A」
「…なに？」
私の頬を人差し指でつつき、私が顔を上げれば、彼は私の目尻にキスを落とす。
テンは私の頬に手を当て、優しく微笑んだ。
…真っ白な朝日が、よく映える
とても綺麗な、その微笑み。
TN「…ボクも楽しみだよ。キミとまた、歌えることが」
「……！」
TN「知らなかったでしょ、」
「…」
TN「ボクは、Aの歌声が、ダイスキなんだよ」
…そう言った、テンのこと。
私は信じられなくて、
…あのテンが、私の歌声を、私が大嫌いな私の歌声を、そんな風に言ってくれたなんて
単純なことかもしれない、
だけど、私はとても驚いて
頭が真っ白になって
テンが、私の歌声だとしても、
私の一部を “好き” と言ってくれた
その事実に、ただ、
私は涙を浮かべる余裕もなく
ただ震えて
そんな私を、すべて抱きしめるように
テンは私の大好きな笑顔で微笑んで
私のことを暖かく抱き寄せると、そっと目を伏せ、顔を傾けて
まるで彼の本当の気持ちが伝わるくらいに
優しい、口づけを落とした。
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作者名：れいら
| 作成日時：2022年6月22日 1時
