美しすぎて、ごめんなさい。５ (ページ34)

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TN side

「やっぱり伸びたね、髪」

TN「中国行った時はケッコウ短くしてたからね〜。長い方がスキ？」

「全部好き。大好きよ」

TN「フフッ、…ホントキミって、なんか…(笑)」

「あっ、照れてる？(笑)」

TN「ん〜、こっち見ないのっ」

ボクの髪を乾かしてくれたAが、ボクを後ろから抱きしめて顔を覗き込んでくる。
ご名答、照れてる顔を見られたくなくて顔を背けると、Aはきゃははっと愛嬌のこもった笑い声をこぼし、ボクの耳にキスをした。

…ああ、まだ、夢を見ているみたいだった。

だって、Aがこんなに近くに居る。
ボクはそれが、未だに少し、信じられなかった。

Aを抱きしめたとき、色々な感情が溢れて、止まらなかったんだ。

“ゴメンネ、会いたかった、ダイスキ、ありがとう”

その全てを伝えたくて、だけど、言葉にならなくて。それでも、Aに触れているだけで、全てが報われる気がした。ボクたちはそれだけで分かり合えている気がした。

涙混じりにボクを見上げた瞳の、その温もり。
ボクだけに見せた笑顔。

…心から、キミのことが愛しいって、そんな風に素直に叫んだんだ。ボクの胸が。

どうやら、離れていた時間があったからこそ、ボクは自分の気持ちに素直になることが出来たみたいだ。ううん、ならざるを得なかった。

だって、ボクだって、人間だ。

ヒトリでは生きていけない。

…ボクにはキミがどうしても必要なんだって、分かったんだ。

その気持ちがあまりに抑えきれなくて、メンバーのいる前で結構激しくキスしちゃったのは、ご愛嬌ってことで。(笑)

あのあと美味しいご飯とお酒をメンバーと一緒に囲みながら、ヤンヤンには散々ボクらの関係を突っ込まれた。あんなもん見せるなってドジュンには怒られたし (顔真っ赤にしててチョーかわいかった)、ヘンドリーはもっとキスしてても良かったのにとか煽ってくるし、そんな弟たちを宥めたクンにはやっぱり感謝しかない。

今日はただ、ボクが10ヶ月ぶりにみんなのもとへ帰ってくるというだけで、あとは何の変哲もないただの1日だ。

そんな日でも、Aはわざわざボクが生まれた年と同い年の、ボクが好むブランドのワインを用意していてくれた。

…みんなの愛に包まれて、本当に幸せな日になった。

ボクはAのベッドの上で彼女のことを抱きしめながら、ずっとそう、感じていたんだ。

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