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TY side
TY「ジェヒョナ、これ」
JH「え？」
今日も夜遅くまでステージの練習が入っている。
それぞれのスケジュールを終えて俺たちはまた練習室に集まり、俺はジェヒョンが練習室に入ったのを見るとすぐ彼のもとに駆け寄って、Aから預かっていたものを渡した。
TY「Aから。…夕方に会ったんだけど、ジェヒョニが疲れてるんじゃないかって、心配してたよ」
JH「Aが…」
いちご味のチョコレートが入ったパッケージ。
それを受け取ったジェヒョンは、Aの名前を聞くなり口元をほころばせた。
その笑顔を見ると、詰めきったスケジュールの中、今日初めてジェヒョンの穏やかな笑みを見た気がしてこっちも安心する。
JH「…自分の命より、鞄に常備してるチョコレートが大事って言ってたのに。(笑)」
TY「あははっ、そんなこと言ってたの？」
JH「うん。それでもわざわざくれたんだね。…ありがとうって連絡しなきゃ」
TY「Aはジェヒョニのこと大好きだからね〜」
JH「ふふっ、それ本当かな？(笑)」
TY「いや、本当でしょ。」
一体何がどうなってそうなったのかは分からないけれど、AはSMに入社した頃からジェヒョンのことが大好きだ。
しかも先輩として慕ってるとか、お兄ちゃんとして懐いてるとか、そんなレベルじゃない。
多分…いや本気で、ジェヒョンのことを異性として好きなんだと思う。
ジェヒョンと接している時のAは完全に恋する女の子の表情をしてるし、そんなAと話すジェヒョンの姿は、いつにも増して貴公子然としていると言うか…
Aをあんなに可愛い表情に出来るのは、ジェヒョンしかいない。
そんなジェヒョンは早速チョコレートを一粒食べて、スマホをいじり出した。
JH「……あははっ、既読付くの早い(笑)」
TY「…」
…ジェヒョンはAのこと、どう思ってるんだろう。
さすがに好かれてる自覚はあると思うんだけどなあ。
Aと居る時のジェヒョンは、とっても自然体で楽しそうだ。だけどAのことを妹としか思ってなさそうでもある。
なんにせよ、俺が介入できることではないけれど。
JH「…ヒョン、今日宿舎帰るの遅れる」
TY「…え？ああ、別にいいけど…どうして？」
JH「ちょっと用事出来た」
そう言って、くすりと微笑むジェヒョンは、
…なんだかとっても優しい表情をしていた。
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年11月25日 20時
