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「…嬉しそうな顔してなかったって、どんな風だった？」
JN「うーん。笑ってるんだけど、無理して笑ってる感じ」
「…」
JN「ショミドに出た頃からは、吹っ切れたようで、それでもたまにすっごい顔してたよ。多分、自分の中でも迷ってたんじゃない？本当は誰かの手を借りたいけど、もうそんな立場にいるわけでもなくて…って」
「…なんも考えてないような雰囲気出しといて、なんでそんなに私のことちゃんと見てるの。」
JN「ヤー、俺ちゃんと見てるからな？(笑)」
「もう…」
JN「Aのオッパじゃん。俺」
「…ジェノくん…、」
思わず彼の胸に頬を寄せる。
…そうだね、彼の言う通りだ。
私ずっと、一番そばにいるようなメンバーに、こんな風にしてもらいたかったのかも。
ジェノくんは私を落ち着かせるように、ぽんぽんと頭を撫でた。
ずっと一緒に成長してきたはずなのに、いつからこんなに差が生まれたのかな。…本当にお兄ちゃんみたいな包容力がある。
「…本当は」
JN「うん」
「いつも強い子だねって言われ続けてきて、泣かないで偉いねって褒められたりしてきたけど… ……そんなの、何も嬉しくなかったの」
JN「…」
「…だけどそんなこと、言えるはずもないじゃん。だから…」
JN「…言えるはずもないって、なんでそう考えちゃうの」
「…」
JN「言っていいんだよ。少なくとも俺たちは、Aに強い子であってほしいとか、そんなこと思ってないもん」
ジェノくんが微笑んで、うんと頷く。
その三日月みたいに優しい目を見ると、胸の奥が疼いた。…誰かに本音を打ち明けた事で、震えたんだ。
そして、微笑んでいた。
自分でも気付かないうちに、
…ほんの少しだけ、泣きそうになりながら。
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作者名：れいら
| 作成日時：2021年11月25日 20時
